内容説明
その小説世界の、みなもとへ――
「女主人公のまなざしが魅力的なので、抛っておけない、というところ」(田辺聖子氏)
と評された「わたしのヌレエフ」(フェミナ賞受賞)、
初めての書籍収録となる表題作ほか、
明滅する愛のかたちを捉えて匂いたつ、著者最初期の秀作全六編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
64
バレエのレッスンではなく、カルチャースクールが流行していた80年代から90年代かな。の太極拳教室のヌレエフ(笑)の夏彦。モテモテ講師で奔放でハーフなのかと、好奇心を掻き立てる偽名を名乗り、しなやかな肢体からフェロモン垂れ流し。女性の視線をくぎ付け。私は彼が弟だとは口にしない。他の女たちには知られたくない。ドラマのシーンをなぎ合わせたコラージュのような短編で行間に想像の余地がかなりある。本当に弟なの?とか。この頃の荒野さんの初々しさ、習作ぽい粗さがある。そして、男も女もアナログな会話がいい。まだこの時代。2026/03/09
竹園和明
44
著者のデビュー作『わたしのヌレエフ』(1989年)を含む短編6編。この『わたしの〜』は、なるほどこれが原点か!と思わせるような不穏な空気が漂う。太極拳教室の講師・南と20数名の生徒達。その中に夏子と夏彦の姉弟がいる。筋骨隆々たる夏彦はジョー木戸崎と名乗り女性陣の注目の的。夏子は講師の南と道ならぬ関係…という何とも妖しげな構図。気怠いムードの夏子と一見遊び人風の夏彦が互いを牽制し合うように接する姿も奇妙に映る。2人は本当に姉弟なのか?。表題作も著者らしい怪作。主人公の歪んだ恋心と孤独感が併立する様子を描く。2026/02/28
たっきー
15
著者のデビュー作含む短編・中編集。6編収録。ワードプロセッサー、ビデオ・デッキ等が作品中に登場し、電話は携帯ではなく固定。1989〜1993年の作品であり、時代を感じる。作品としてはあまりハマらず(最近の作品の方が圧倒的に不穏度が高くて好み)。強いて好きな作品をあげるなら、「グラジオラスの耳」。2026/03/20
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