内容説明
現代社会の深刻な課題である「中高年ひきこもり」を,嗜癖(依存),神(宗教),性愛という根源的テーマから読み解く論文集。長年家族や依存の問題に取り組んできた著者が,精神医学と文化人類学の視点を往還しつつ,「ひきこもり」を家族というシステムの病理として分析する。
治療困難とされた症例への家族療法的危機介入(第1章),ひきこもりを依存症の一型として捉える試み(第2章),父性的圧力が生む「男らしさの病」(第3章),嗜癖論の立場からみたアダルト・チルドレン/アダルト・サバイバーの実際(第4章)など,臨床に根ざした洞察が展開される。
さらに後半では漱石やAAの思想(第5~6章),儒教と日本的家族観の関係(第7章),実際の事件・症例等を手がかりに,家制度の崩壊,父子/母子関係の歪み,恋愛と共依存,過誤記憶論争,外傷体験などを考察。「家族という宗教」が人々の人生にもたらす深い影響を浮かび上がらせる。
目次
第1章 「ひきこもる人」に供物を捧げてみた
第2章 引きこもり依存症――システムズ・アプローチに基づく対応法
第3章 男らしさと「ひきこもり」
第4章 嗜癖の実相にたどり着くまで
第5章 漱石の変身からAAの神学まで
第6章 みんな毒親!――「健全な家族」という罠からの解放
第7章 儒教と家族――日本の場合
第8章 父を求める息子たち
第9章 母を蔑む娘たち――その後
第10章 性的外傷体験の治療と変身
第11章 エロティシズムとアディクション――現代人の恋愛、共依存、親密性
第12章 日本で過誤記憶を語るということ
第13章 家族という宗教
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