内容説明
平凡以下だが令和のニューヒーロー、誕生!
自己主張が苦手なOL、及第点で満足している中学教師、野心を抱くホスト、ブラック企業で病んでしまった青年……。そんな彼らの共通点は、山田太郎に出逢ってしまったこと! 山田太郎は、中学の宿題「十年後の目標」に、「一生懸命、生きています」と書くほどのリアリスト!? 家族を残して家出してしまった父の代わりに、山田太郎は妹の学費を稼ぎ、母の介護費用を支払うため、職を転々としていた。その愚直なまでの姿勢が、かかわっている人間たちを変化させていく。生きづらさを感じる時代にあらわれた、令和のニューヒーローの物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
116
あぁ・・連作8話、どれもそれぞれが織りなす「山田太郎」との話。そこから「山田太郎」の人となりが浮かんでくる。どこまで行っても「山田太郎」は「山田太郎」なのだ。それが実に沁みるのだ。発する言葉は誠。考える時間は珠玉。動いた後には花が咲く(←いや、実際には咲かないけれどね)その花が実を結ぶのは関わった人間たちなのだ。なのに・・何故居ない。『一生懸命、生きている。』あぁそうだね。一生懸命に生きたね。読後は装画のどの山田太郎も愛おしくて・・しみじみ泣けた。2026/03/31
rosetta
27
★★★☆☆軽い障害でもあるんじゃないかと思わせる変な人山田太郎。彼とすれ違った8人が主人公になる8つの短編。学習能力よりも親の資産が重視される中高大一貫校に入るくらいだから子供の頃は家庭は裕福だったのだろうが、父親が失踪し学校を中退して家族を養わなければと考えた山田太郎。結局その人生で何かを成し遂げたわけではないけど一生懸命生きた。一足の靴とは両足分が揃った状態のこと、ハイヒールの片方をなくして「一足きりになって」(P8)というのは間違い。小学館ともあろう大出版社がこんなミスを犯すとは出版不況も末期だな2026/04/06
sayuri🍀
25
山田太郎は、名前から想像していた通りの人物だった。引退した野球部員のような伸びかけの坊主頭にずんぐりとした体つき。鈍重で愚直、なのに、とても魅力的だ。この物語は、そんな山田太郎と出会った8人の視点で描かれる連作短編集。彼はヒーローのように大きな事を成し遂げるわけではない。それでも、彼に出会った人たちは、ほんの少しだけ変化していく。恋に落ちるタイプではないが友人になりたいなと思わせる不思議な人。ある時は探偵に、またある時はホストに変身して何度も笑わせてくれた。純粋で善良な山田太郎。またどこかで会いたくなる。2026/03/14
nyanco
18
山田太郎に出逢った8人の人々のお話。 コンビニで働く青年、山田太郎、次の章で時代が遡り、彼の中学時代が描かれる。父親が失踪し、病弱な母と幼い妹のために働く太郎。ホストになったり、なんでも屋になったり、それぞれの場所で出逢った人たちは、太郎に出逢ったことで少し生き方が変わっていく。太郎が説教臭い訳でもなく、ただの人なのに。太郎の妹・華ちゃん、虚言癖あり、悪の強い彼女の存在も面白い。晩年、素敵な出逢いで結婚だが、50代で亡くなってしまう。→続2026/03/21
ふわりん
10
山田太郎と聞くと、あれ?偽名かなと疑ってしまう。でも山田太郎は実際いた。本の紹介文に令和のニューヒーローと書いてあったけど、読み終わっても私は山田太郎がヒーローだったとは思わない。普通に自分の道を黙々と行き、関わった人と誠実に正直に向き合っていただけだと思う。特に誰かに手を差し伸べたり助けたりしているワケじゃないのに、関わった相手が本当に助けられたような心強い気持ちになる。いつもじゃなくてもいいから、山田太郎がそこにいてくれたら良いのになぁとつくづく思う。一生懸命生きた彼が最期に幸せだったようで良かった!2026/03/26
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