内容説明
女子高時代に孤独な桜子に寄り添ってくれた、憧れの先輩で歌舞伎役者の娘・清香。真昼でもなお輝きを失わない流星のようだったその人は、八年後に浅草で偶然再会した時、探偵となっていた。清香は、親に薦められるまま見合い結婚をしようとしていた桜子の鬱屈を見抜き、自分の探偵事務所で働かないかと誘う。探偵助手となった桜子と清香は、依頼人の相談に真摯に対応する。やがて彼女たちは、どこか歌舞伎の演目を連想させる奇妙な謎を通し、自分たちの過去や秘めた想いにも向き合うことになる……。新境地を開いた実力派作家が、人の心の謎解きを描き、女性私立探偵の系譜に新たな風を吹き込む傑作ミステリ。/【目次】第一話 傘の陰/第二話 人形の目/第三話 微笑み一つ/第四話 花の名前/参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
assam2005
14
例え親子であったとしても、その本心は言葉にしなければ決してわからない。親子だから、子のことを思っている、親のことを思っている、思っているからといって子の、親の幸せに繋がっているとは限らない。相手のことを思って真正面から向き合うのを避けがちな私達は、時として行き違いに気づけない。それとも、相手にその向き合う価値を見いだせていないのだろうか。分かっているという身勝手な思い込みよりも、向き合う価値を大切に。歌舞伎の演目と重ねて説明されるこの本。昔から人の悩みとは同じものなのですね。2026/05/03
ほたる
9
全寮制の女子校で憧れだったあの人は探偵に。助手として働きながら見えてくるのは、各々が語っていないこと。歌舞伎になぞらえた話の展開自体にも引き込まれるが、何よりも先輩と私の心情の描き方がとてもとても良い。最後のシーンのあの一言。感極まってもう堪えられなかった。2026/04/01
桜絵
4
月夜行路が文学なら、こちらは歌舞伎のシスターフッド! 家のために歳の離れた相手とお見合いをした桜子は、かつて女子校の先輩だった清香と再会する。歌舞伎役者の娘の清香は家を出て、一人探偵事務所を営む。清香は桜子をバイトで雇い、共に依頼を受け調査をする。連作短編集。 桜子も清香も言葉が足りなくて、家や人間関係での誤解が多い。それを一つ一つ解していかなきゃ前に進めない。ミステリーとしても歌舞伎の豆知識としても興味深い。なかなか演目のように上手くいかなくても、努力をすればいいのだ。桜子は桜に似ている。2026/04/14
JUN
3
その季節のその場所で、 その時にしか見えないもの2026/03/26




