批判的日常美学について

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批判的日常美学について

  • 著者名:難波優輝【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 晶文社(2026/02発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794980441

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内容説明

強烈にシニカルな議論の中から、迷える人たちへのまっすぐな応援歌が立ち上がってくる。──鷲田清一

現代は「ちゃんとする時代」。「ちゃんと働く」「ちゃんとした格好をする」……私たちはいつのまにか、ちゃんとすることを当然視し、それができない自分を責めながら生きている。だが、本当にちゃんとしなければならないのだろうか。
社会が要請する「ちゃんとしなければならない」に対して、自分の理由で反抗し、受け流し、交渉するための「道具」を追求すること。それが「批判的日常美学」の試み。
生活にまつわる様々なアイテム──料理、労働、ファッション、清潔感、コミュニケーション、性愛──などを題材に、「丁寧な暮らし」の呪縛から逃れ、いまだ到来しない「ふつうの暮らし」を模索する哲学的考察。他人と世界と自分をより自由に愛せるようになるためのメソッド。

この本では、「ちゃんとする」という言葉に代表されるような、倫理的なものと美的なものの癒着を見つけ出し、それを断ち切っていく。(…)日常にある美的とされているものに実は倫理的なものが潜んでいることを暴き出す。そして、倫理と美のつながりを健全なしかたで再構成する。この手法を「批判的日常美学」と私は呼ぶ。(…)社会が要請する「ちゃんとしなければならない」に対して、あなたがあなたの理由で反抗し、受け流し、交渉するための「道具」を追求する試み。それが本書で私がやりたいことだ。(「はじめに」より)

【目次】
はじめに
序章 来たるべき「ふつうの暮らし」を求めて
第1章 自炊と恥──料理道徳から距離をとる
第2章  労働廃絶宣言──労働を解体するための感性論
第3章  反ファッション論──みせかけ美徳消費の悪徳
第4章  「性格が悪い人」を差別してもいいのか──「清潔感」からはじめる性格差別の哲学
第5章  分かり合わないことの美学──不同意コミュニケーション論
第6章  愛し方のあいいれなさ──手元規範と共同規範づくり
第7章  被害者サディズムの吹き荒れる時代に、スピリチュアリティにできること?
第8章  新しい快楽主義者たち──猫と廃墟とアナキズム
第9章  陰部の日常──マスターベーションとセックスの美と倫理について
第10章 抑圧に感謝する──奴隷根性と弱さの美学
第11章  夕焼けと電流──生誕した私たちの美的義務について
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Kooheysan

6
日常のそこかしこにある、いわゆる規範的なものには道徳的な判断/価値と美的判断/価値が混じり合っている。それを美学のアプローチから切り分けて、もう一度再考してみようとする批判群。この見方はかなり新鮮。軽く衝撃を受けたところ(性格差別とか!)も。何となく違和感があることについて、自分にばかり非難を向けず、周りのことを批判的に見ることで気の持ちようも変わることは大いにあると思います。何となくでしかなかった物の見方や視点(美的経験の定義など)を丁寧に言語化してもらえたところが多々あり、刺激的な読書になりました。2026/02/18

鱈等

1
社会通念の内面化に警鐘を鳴らし、「丁寧」ではない「ふつうの暮らし」を美学的に肯定する試論。スタンスには賛成だし、クィア・スピリチュアリティの話なんかとくに面白かったが、所々、美学を実践理性より優先するような書き方にハテナも浮かんだ。序論でパンケーキを残す行為が日常美学により肯定されると訴えられるが、そこで無駄になる鶏の生やシェフの気遣いを無視してよいとどうして言えるのか。また11章の反出生主義批判も、たとえば幼くして家族を虐殺されたパレスチナの子供に面と向かって"世界は美しい"だなんて本当に言えるだろうか2026/02/23

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