内容説明
結婚して三十年、初めて意識した妻との乖離。
仕事に子育て、中年の夢……。
四組の夫婦が相手に向き合い、乗り越える人生の分岐点。
*****
娘が婚約者を連れてきた。
他人の分の寿司も遠慮なく口にする、だらしのない男。
娘が選んだ人ならば。自分は、心が広く先進的な父親。そう思っていたはずなのに。
神保町にある出版社、景談社で働く佐原滝郎は、娘の結婚に心が揺らぐ。
「娘が結婚すべきではない」と感じた婚約者は、意外にも滝郎の妻には好印象。
妻もあの婚約者のことは気に入らないと思っていたのに、一体なぜ?
積み重ねてきた夫婦生活の中で初めて見えた、自分と妻の間にあるひずみ。
もしかして、妻と自分はーー。
社内の三組の夫婦の姿を見ていくうちに、滝郎はある決意を固める。
転勤、再婚、中年の夢……。
四組の夫婦が直面する、結婚生活の危機。
連れ添ってきた相手と向き合い、それぞれが出した答えとは?
目次
佐原夫妻 十月十六日(日)
足立夫妻 十月から十一月
船戸夫妻 十一月から十二月
江沢夫妻 十一月から十二月
断章 小倉琴恵 十二月十六日(金)
佐原夫妻 一月から五月
断章 小倉琴恵 十月十六日(月)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
32
同じ会社に勤める人たちと配偶者の話がいくつか登場します。新婚なのに奥さんの転勤が決まってしまった話。シングルマザーが年下の彼と付き合う話。突然夫が植木職人になりたいと言い出した話。どの話も、誰にだって起きるかもしれない話です。それぞれ自分に起きた「事件」のことを考えてモヤモヤしています。それを誰かに話してみたいんだけど、その誰かが難しいんですよね。意見は言わずに、ただ聞いて欲しいという事をわかってくれる人、そういう人っていそうでいないんだなぁ。#夫妻集 #NetGalleyJP2026/02/13
のんちゃん
24
夫又は妻のどちらかが、ある出版社に勤めている4組の夫婦の気持ちのすれ違いを描いた連作短編集。娘の結婚、転勤、子連れ再婚、転職問題と夫婦は二人なので問題も2倍になる。私事だが私達夫婦は今年で結婚34年になる。おかげさまで価値観と言われるものがあっていた様で、大した嵐もなく過ごしてくる事ができた。でもこれからはお嫁さん、孫も加わり問題も出てくるかも知れない。でもその都度、真摯に向き合って乗り越えるしかないだろう。本書は改めてそれを教えてくれた。夫婦集でなく夫妻集というのがいい。ワンチーム感が感じられるから。2026/03/08
ベローチェのひととき
15
妻から廻ってきた本。5編からなる連作短編集。夫婦のどちらかが某出版社に勤めている4組の夫婦の物語。娘がお笑い芸人及び俳優を目指している相手を連れてきた50代夫婦、夫が突然沖縄で植木職人をやりたいと言い出した40代夫婦、8歳年下と再婚した二人子持ちの30代の妻、結婚直後、妻が名古屋へ転勤となった20代の新婚夫婦、人生色々あるがそれぞれが出した答えは… 考え深いです。2026/03/16
雪だるま
14
大手出版社に勤める4人のそれぞれの夫婦の物語。新婚夫婦に熟年夫婦、別居、離婚、再婚。色々な夫婦の問題や形があって面白かった。一番近い他人とも言える夫や妻との関係は、身近でありながらそれぞれ違っていて、どの夫婦にもドラマがあるのだなと思った。小野寺さんらしい読みやすい本でした。2026/03/05
アリスとアニー
12
4組の夫婦をテーマにした短編集。小野寺さんの作品は昨年読んだ『日比野豆腐店』以来です。小野寺さんらしい歯切れの良い読みやすい文章でストレスなく読み進めることができます。要所要所で登場する作家の小倉さんがちょうど良いアクセントになっていましたね。夫婦と言っても、もとは赤の他人が生活を共にするのですから、すれ違いが発生するのは当然で、だけれどもお互いに折り合いをつけながら乗り越えていく様子が作中のどの夫婦にも共通していて温かい気持ちになりました。2026/03/19
-
- 洋書電子書籍
- Orofacial Pain, An …




