- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
古代において、内陸アジアを東西にむすぶ交易の要衝として栄えたガンダーラ。仏教の開祖・釈迦牟尼仏陀を史上初めて人間の姿で表したこの「仏像発祥の地」には、一見するとおよそ仏教的ではない、男女の飲酒饗宴や交歓の様子を表した彫刻も残されている。仏像が生まれた国の破戒的・異端的な彫刻は何の目的で制作され、何を意味しているのか。仏教経典や130点超の図版をもとに、美術史と東西文化交流史の蓄積から丹念に検討する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
42
ガンダーラと言えばゴダイゴ、という発想はふざけているようだが、何と最初の1ページ目に著者自身が書いている。おみそれしました。だからこそ実際のガンダーラ地方の場所と仏教美術について、正確なイメージを提供する必要があったというわけである。普通紙の新書なのに多数の写真はオールカラーで、読んでいるページのすぐ近くか、当のページに写真があるという親切な編集で、ここまで読みやすさに配慮した本は初めてだと思う。遠くギリシャ美術との関係、とりわけ文献の少なさをカバーする金貨・銀貨等の銘文がいかに重要かを知ることができた。2026/03/10
ジュンジュン
11
ヘレニズム文化の影響を受けて、仏像発祥の地となったガンダーラだが、なかには仏教思想とは相容れないような男女が酒を飲んだり抱き合ったりする彫刻も存在する。ガンダーラ♪ガンダーラ♪愛の国♪ガンダーラ♪だからなのか?その答えを求めて、ギリシャ神話の酒の神ディオニュソスから紐解いていく。ディオニュソスの説明がかなりしつこいが、豊富な写真がすべてカラーなのは◎。2026/05/20
のら
3
何年も前、美術館で初めてガンダーラ仏教美術(仏像)を見たとき、日本でよく目にする仏像とは異なる「シュッとした」佇まいが印象に残った。当時は手軽にガンダーラ美術を学べる本が見当たらなかったが、ようやくその概要を新書で読むことができて嬉しい。仏教には飲酒を禁じる不飲酒戒や、不適切な性関係を禁じる不邪淫戒などの戒律がある。しかし、ガンダーラ美術の中には、明らかにこれらの決まりに反するようなモチーフが存在している。本書は「それはなぜなのか」というミステリー要素もあり、謎解きのように楽しく読み進めることができた。2026/05/28
迦陵頻之急
3
本書の言う「謎」とは、ガンダーラ仏教美術の一部に反仏教的な官能的、享楽的モチーフが見られる事を指す。とは言え、本書の論述の大部分はガンダーラ地方の地史の解説、ガンダーラ仏教美術の総論やギリシア的要素の指摘などに占められ、「謎」解きは最後にごく簡略に説かれているのみで、要は仏教の教説における来世、浄土の楽園生活を、ギリシア、ローマ美術から受け継いだ享楽的モチーフを用いて描いていると言う解釈である。結局、謎解きは飽くまで注目喚起の手段であり、本書の本当の目的と意義はガンダーラ仏教美術自体の一般的啓蒙であろう。2026/03/03
イツシノコヲリ
3
ガンダーラの歴史の概略や仏像以外の彫刻についても詳しく扱われている。2026/02/27




