内容説明
『そして、バトンは渡された』著者の感動作
大人になったから気づく、あのときの想い。
感染症の流行で小学校が休校になり、不自由を余儀なくされた冴と心晴。冴が「夜の仕事」をする母親とささやかで楽しい生活を送る一方、心晴は教育熱心な親と心を通わせられずにいて――。人と関わるのが難しかった「マスク世代」の子どもたちの悩みと成長、そして彼らを見守る人々の優しさを描いた、本屋大賞作家による感動作!
単行本 2023年7月 文藝春秋刊
文庫版 2026年2月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ@no book, no life.
116
私達の世代を育んだあの頃。コロナ禍が産んだ物は、その後は、という作品だった。あの一瞬異様なコロナ禍に育ったという事はその後の人生の歩みにおいて何ら影響がないという事はやはりないのであろう。最早コロナ禍という言葉が過去になろうとしている今にらおいても。否、その当時の子供達だけではなくどの世代にもあの一種異様な世界相は何らかの心身的影響を残している。その中においても普遍的に有る物、若しくは普遍的に育まれるものは様々な形の愛である。そんな派手さはないがじんわりと温かく温かみが感じられる作品なのであった。2026/02/14
相田うえお
76
★★★★☆26019【私たちの世代は (瀬尾 まいこさん)】コロナなどという得体の知れないものが蔓延し始まったとき世界中が大パニックになり、色々な意味で多くの事を学んだような気がします。いま思うとあれは何だったんでしょう。それ以降に生まれた人にとっては『へぇ〜そんなことがあったのかぁ』みたいなことになるんだと思います。本作品、そんな背景をベースにした内容でした。あの様な状況下で災難に遭った人、上手く日常を過ごせなくなった人など、大変なことを経験している方が読んだら作品の感じ方もまた違うんだろう思います。2026/04/12
Kazuko Ohta
57
コロナの流行時にすでに中年だった者が振り返れば、これまで生きてきたうちのわずかな年数にしかならないけれど、子どもだった人たちにとってはその年数が人生の大半を占めていたことになります。入学しても登校できないから、同級生の顔もわからない。世間にバイ菌が蔓延しているおかげで古来の「バイキン」と呼ばれるイジメが減ったというのは皮肉ですが、それとは違う過酷な状況に置かれていた彼ら彼女ら。子を思う親の気持ちの表し方もそれぞれ。一方で、親から愛情を注がれることなく育った子もいます。ひとりひとりの幸せを願ってやみません。2026/04/04
もえ
40
TVで「コロナ禍に入学の小学生が卒業」というのを観て、もうあれから6年経つのかと感慨深かった。本書もコロナ禍を過ごした小学生達が、どんな風に悩んで成長し大人になっていったのかを、周りの大人達も含めて丁寧に描いている。特に冴のお母さんが素敵な人だった。施設出身で夜のお仕事をしながらも、娘の冴のことが大好きで、ネグレクトされている冴の同級生のことも気にかけてお世話をする。一方で不登校になってしまった心晴のことも、やはり気にかけてくれる人達がいて、心晴は自分の道を見つけていく。コロナ禍から生まれた幸せな物語。2026/03/22
ハッピーえんど
39
感染症の流行により小学校に一時通えなくなった冴と心晴。 不自由な生活を余儀なくされ、つらい思いを経験することになりますが、悪いことばかりでなく、素敵なご縁に出会うことにも繋がります。 過去と現在を行ったり来たりの展開で段々と繋がっていく展開が面白いし、登場人物達が悩みながらも前向きで瀬尾さんらしい温かさを感じる作品でした。2026/04/04




