内容説明
明治新政府軍の来襲で家族や友人を失った二本松藩の少年タキは、人並外れた強さをもつ怪しげな「キ」と名乗る一団に窮地を救われ、秋姫という目の見えない老女の家に匿われることになる。理不尽な命令ばかりする秋姫と衝突してばかりのタキだったが、やがて奇妙な絆が生まれ始める。だが、政府軍の魔の手が再び迫り……(「鬼婆図探訪」)。その他、人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言を描く「夢狒々考」、争乱と復讐に満ちたとあるキの激動の半生「最後のキ」など全四編を収録。若き民俗学者・鶯谷玄也が、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う連作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星群
83
恒川さんは、私にとって珍味中の珍味なのだ。凄く癖があるんだけど、時々猛烈に読みたくなる。例えて言うなら、我が地元の珍味〝鮒鮨〟の様な存在。食べたことないから知らんけど、笑。もらった魚を生で齧り付く場面とか、想像すると正直気持ち悪い。でも読みたくなるのだ。やっぱりイチオシは〝鬼婆図探訪〟かな。秋姫の立ち振る舞いが、存分に恒川さん臭を放っている。2026/03/06
はにこ
80
現か幻か。狒々や鬼女、「キ」について調査をする鶯谷と武田。ただの言い伝えとは思えないような不思議な世界に引き込まれた。実際に江戸時代や明治くらいまであったのかもしれないと思わされる。伝承とかって、神秘的で魅力的。恒川ワールド全開で最高だった。特に「キ」と民俗学者がつながった時には、ゾクッ。最高です!2026/03/16
みかん🍊
78
時代が移り変わっていき歴史に疎いので追って行くのが難しかった、鬼とも妖怪との言われた畏敬の一族「キ」民俗学者の鶯谷は各地に伝わるその存在を追って行く、そこには時代に翻弄され酷い仕打ちや不幸に遭わされた人々の姿があった、「キ」に類するものはきっと昔は居たのだろう、近代化と共にその姿を消し語られなくなったが今も暗躍しているのかもしれない、最後に繋がった事実は温かったきっと運命だったのだろう。2026/03/23
ゆみねこ
69
若き民俗学者が謎に包まれた「キ」と呼ばれる者たちの伝説を捜す旅に出る。戊辰戦争の二本松少年隊の生き残りの少年が出会い救われたもの。各地に伝わるキの痕跡、鬼や狒々それとも隠れ切支丹なのか?移りゆく時代の中で人里から離れた山里に隠れ住んだ「キ」、数多の戦乱の中で本当にこんな人々がいたのかもと想像をかきたてられる。恒川光太郎さんならではの1冊。2026/03/01
nyanco
51
前作「ジャガーワールド」がちょっと合わなかったのですが、今回はどストライク、私の好きな恒川ワールドでした。 美術商・武田と民俗学学者・鶯谷は、明治中頃まで存在していた「キ」と呼ばれた集団を探る。 最初の物語では、鬼婆の図を描いた滝次郎の過去に遡り、おぼろげに「キ」の外枠が見えてくる。その後、徐々に「キ」の存在が明らかになっていく様子が面白い。鬼や天狗といった妖だけでなく、人も関わっていて学校まであったり… 繋がって全体が見えてくる。狒々の話が私は一番好き。2026/03/09
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