取調室のハシビロコウ :黙っていたら、壊された。ある弁護士の二五〇日勾留記

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取調室のハシビロコウ :黙っていたら、壊された。ある弁護士の二五〇日勾留記

  • 著者名:江口大和【著】
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  • 時事通信社(2026/01発売)
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  • ISBN:9784788720749

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内容説明

|普通の夫・一児の父が尊厳をかけて闘った実話|

罵詈雑言を浴びせられる57時間の取調べ、 家族や友人に会えない250日間の勾留に、
あなたは耐えられますか?


弁護士だった江口大和さんは、2018年10月、交通事故を起こした男にうその供述をさせたとして、犯人隠避教唆の疑いで横浜地検に逮捕された。任意の取調べでは一貫して事実無根を主張し、逮捕後の取調べでは黙秘に徹した。黙秘する江口さんに、検事は驚くべきふるまいに出た!!

検事は「ガキ」「お子ちゃま」と子ども扱いをし、江口さんの中学生時代の成績表を取り寄せて数学と理科の成績を揶揄。その他にも罵詈雑言のオンパレード。勾留は250日に及び、家族や友人との面会はおろか、手紙のやりとりも禁止されていた。幾度となく接見禁止の解除や保釈を求めても、裁判所の壁が立ちはだかる……。

本書は江口さんの獄中メモを下敷きに、逮捕から今なお続く国家賠償訴訟の行方まで、約7年にわたる闘いをつぶさに記録したノンフィクション。黙秘権のあり方や人質司法の問題点を世に問う1冊です。


※横浜拘置支所での出来事は、二〇一八年一〇月から二〇一九年六月当時のものです。
※本書の印税は、違法な取調べや人質司法をなくすための活動または団体に寄付します。

[本書目次]
プロローグ それはある日、突然に
任意同行は妻との別れ 
なぜかメディアが知っている
 
「中の人」になる瞬間 
弁護人・宮村啓太の視点① 逮捕の前日
 
妻の視点① 捜索はある日突然に 

第1章 しゃべらなければ、終わらない
私が黙秘をした理由 
想像以上の大変さ 
川村検事の崩しのテクニック
 
準備 人となりの把握 
手法① 人格否定法
手法② 能力否定 
手法③ 証拠をちらつかせる 
手法④ 責任をあおる 
手法⑤ 別の生き方を勧める

第2章 時間と名前が消える部屋
独房に閉じこめられて知ったこと 
独房の中には音が響かない 
検事ひとりがしゃべる部屋
普通の暮らしが奪われる 
スマホなし、パソコンもなし、テレビなし
 
マイナス思考が止まらない 
そこでは名前が奪われる 
アイデンティティが消えてゆく
 
弁護人と妻の言葉で生きかえる 
差入品の雄弁さ 

COLUMN1 独房のアメニティ

第3章 再スタートの甘い誘惑
罪悪感をあおられる 
娘の写真に涙する 
「初心に戻れ」の危険性
堂々めぐりが止まらない 
妻の視点②相いれない人たち

第4章 見えない敵に悩む日々
言葉にならない緊張感
見えない敵の気味悪さ 
他人の逮捕が胸を打つ 
ラジオニュースに勇気をもらう
自己暗示の重要性に気づく 
自己との対話をくり返す 
プリズンでひとりぼっちの大みそか
 
弁護人・宮村啓太の視点② 取調べが行われた当時の接見 

第5章 思い出ぶかい隣人たち
ベテランぞろい 
誰もいなくならない
印象ぶかい隣人① 夜中に徘徊し、壁に糞尿を塗りつけた人 
印象ぶかい隣人② 幻覚が見える人 
印象ぶかい隣人③ 重い吃音を抱えた人

COLUMN2 拘置所あるある

第6章 再会までの長い道
戦友を見送る
すっぱいブドウ 
カリオストロの城
ふたたび、プリズンひとり
 
戦友、帰る 
恩師と妻の言葉 
季節はめぐる 
てんとう虫と蜘蛛の糸 
楽観 
現実
保釈のとき
 
ほろ苦い再会 
妻の視点③ 勾留中の差入れ 

第7章 負けてもふたたび立ちあがる
自由の象徴を楽しむ 
芝浜におびえる 
罪滅ぼしと恩返し 
少しずつ、父になる 
刑事裁判が始まる 
まさかの一審判決 
恩師と食べるやけラーメン
 
不安と安堵 
コロナ禍の副産物
遺族にふり回された控訴審 
徒労感から立ちなおる 
最高裁に訴えたこと 
八か月後の三行半 
妻の視点④保釈された日

終章 やられっぱなしじゃいられない
娘にいつ・どう伝えるか 
反撃開始――国家賠償訴訟 
取調べを公開する 
公開前の不安 
公開と反響 
踏みこみきらない一審判決
 
何も応えない控訴審判決 
弁護人・宮村啓太の視点③ 想像をはるかに超えていた精神的拷問  

補論 人質司法とは何か
1 容疑を争うほど身体拘束が長びく勾留実務 
2 不安をあおり、尊厳を損なう取調べと処遇 
3 気分転換のできない閉鎖的な環境 
4 システム化の完成――相互補強と相互無責任
 
Ⅰ  相互補強 
Ⅱ  相互無責任 
5 人質司法をなくすには

おわりに
筆者年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

もちこ

34
「人質司法」がいかに逮捕された人の尊厳を奪い、「自白」するまで精神を追い詰めるシステムなのかがよく分かる。 著者が受けたひどい扱いには目を覆いたくなるけれど、著者は感情的になりすぎず、あくまで淡々と事実とその効果を分析する。 その筆致のおかげで、私も冷静に事実を見つめることができた。 令和の現代でもこのような、人を人と扱わない行為が合法的に行われているということが信じられない。 著者の戦いは2025年12月時点で、まだ続いている。その事実がさらに、いま現実に起きていることだと思い知らされる。2026/02/26

aki

26
弁護士である著者がいわれもない罪で逮捕され、250日間も勾留されていた間の取調べの内容や、所内での出来事を赤裸々に綴ったノンフィクション。ドラマや小説の中では散々見てきている光景であっても、とにかくリアルな様はほんと、経験者でないと分かり得ない、辛く悲しく悔しい感情でいっぱいなんだろうと胸が苦しくなる。これを読む限りの検察官の尋問は極悪非道も甚だしい。人格否定、能力否定、家族や周りの人たちをも巻き込んでの追い込み方は、そこに人としての尊厳は全くない。今だに闘っているようで、こんなに長期戦になろうとは。2026/02/11

kan

23
検察の人質司法、特に不均衡なパワーバランスを前提とする構造的支配から逃れられない中での取り調べは、本書では精神的拷問とも表現され、その実態が生々しく伝わる。じわじわと心身を蝕むプロセスに、もし自分なら…と想像するが、とても耐えられそうにない。映像として公開されている部分も観たが、密室での取り調べのあり方に大きな問いを投げかけるものだ。検察は日常的に、海千山千の被疑者を相手にしており、揺さぶりや心理的駆け引きに苦心しているだろうと思うが、虚偽の自白しか道がないところまで追い込む手法は許されるはずがない。2026/02/28

ゆまたろ

4
怖い。怖すぎる。そもそも起訴前はまだ有罪ではないはず。こんなに精神的に責められたらやってなくてもやった、と言うのは当たり前だ。罪を犯した(かもしれない)人には人権はないのか。あまりにも怖い。もう一回言います。怖すぎる。2026/03/02

TOMOMAMA

1
これはなんと恐ろしい実話。現役弁護士が突然被疑者とされ250日間勾留された「人質司法」の実態を詳らかにする。これほどまでに理不尽で人格を全否定し全ての正常感覚を奪う取調べが常態化していると知り、空恐ろしくなる。冤罪が、虚偽の自白が後をたたない理由が分かった。「ハシビロコウ」の意味を知り、筆者の強い意志を思った。2026/03/26

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