内容説明
「国際ニュースの疑問から国際法を学べるユニークな入門書」として好評を博した初版を九年ぶりに改訂.今回はウクライナとガザでの戦闘,トランプ関税,ビジネスと人権など新たなテーマを取り上げ,背景にある国際法の問題を解説.楽しみながら国際法の基礎知識が身につき,激動の国際社会を見通す確かな視点が得られる本.
目次
はしがき
1 「国際法」ってなに?……………酒井啓亘
――国際社会における法の定立と実現
2 多数国間条約はお嫌いですか?……………森 肇志
――グローバルな課題への対処における多数国間条約の役割
3 サイバー空間は無法地帯?……………若狭彰室
――新たな課題に対処するための国際的規範形成の諸手段
4 夫婦別姓を認めない日本の民法は条約違反?……………髙田陽奈子
――国内法秩序における国際条約の実施
5 パレスチナは国家なのか?……………新井 京
――国際法上の国家と国家承認の意義
6 沖縄が日本から独立するかもしれない?……………伊藤一頼
――現在の国際社会における自決権の意義
7 タリバンはアフガニスタンを代表する政府か?……………田中佐代子
――政府承認と国連代表権の法的意味
8 日本は尖閣諸島を中国から「窃取」した?……………深町朋子
――領域帰属に関する国際法の判断枠組み
9 北朝鮮のミサイルが日本海に落ちるとなにが問題?……………西村 弓
――排他的経済水域と海洋秩序の構造
10 日本近海におけるブイの設置はなにが問題?……………菅野直之
――大陸棚と島の制度
11 北極海の航路と資源は誰のもの?……………西本健太郎
――地球温暖化の影響と北極の規制
12 月の資源は誰のもの?……………石井由梨佳
――宇宙資源の開発と利活用の法的評価
13 台湾の新総統就任に祝意を表明したら内政干渉?……………藤澤 巌
――国際法上の不干渉原則とその射程
14 韓国の裁判所で日本が訴えられる?……………新倉圭一郎
――外国国家の裁判権免除
15 日本が外国と結んでいる円滑化協定とは?……………水島朋則
――外国軍の訪問・駐留と地位協定
16 外交官はなにをしても逮捕されない?……………坂巻静佳
――外交官と大使館に認められる外交特権
17 EUが日本企業を規制する?……………和仁健太郎
――国家管轄権の域外適用
18 インターポール(国際刑事警察機構)は警察か?……………横濱和弥
――「国際犯罪」の処罰のための国際法の枠組み
19 「ウクライナ難民」は難民ではない?……………竹内真理
――国際法上の難民の意味と位置づけ
20 人権デューディリジェンスってなに?……………小寺智史
――「ビジネスと人権」に関する国連の取り組み
21 「相互関税」とはなにか?……………北村朋史
――国際貿易体制(GATT/WTO体制)における相互互恵主義の位置
22 「経済安全保障」は自由貿易体制を破壊する?……………平見健太
――自由貿易と安全保障の関係
23 自由貿易協定で環境や労働者を守る?……………二杉健斗
――自由貿易協定の新展開
24 原発処理水の海洋放出は国際法違反?……………堀口健夫
――海洋汚染の防止に関わる国際法上の義務の観点から
25 パリ協定は失敗したのか?……………吉田 脩
――地球温暖化防止における国際法の役割
26 WHOはパンデミックを防げるのか?……………岡田陽平
――保健衛生分野における国際協力のあり方
27 ウクライナ侵攻を国際裁判所に訴えるには?……………李 禎之
――国際司法裁判所の管轄権
28 国際裁判所がガザ紛争の停戦を命じる?……………玉田 大
――国際司法裁判所の機能をめぐる新展開
29 ICCはプーチン大統領を裁けない?……………竹村仁美
――国際刑事裁判所の理念と現実
30 ロシア資産の凍結と凍結資産によるウクライナ支援?……………岩月直樹
――侵略行為に対する第三国の対応
31 国連は世界の平和を守れない?……………丸山政己
――集団安全保障制度の意義と限界
32 ロシアはウクライナを「侵略」した?……………川岸 伸
――国際法による武力行使の規制
33 戦争に勝つためなら病院を攻撃してもよい?……………黒﨑将広
――武力紛争法における内在的制約としての軍事的必要性と人道性
あとがき
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