内容説明
隣の家は山向かい。人口10人。言語、文化、人種、完全アウェーのスローライフ! 大都市ベルリンからポルトガルの限界集落に夫婦で引っ越した、ドイツ語翻訳者の浅井さん。憧れのスローライフは、シビアな現実のはじまりで!? 納豆の自作、修繕しながら暮らす家、オリーブオイルとワインの共同制作――。ヨーロッパの片隅から、移民夫婦の異文化生活と世界へのまなざしをお届けします。
目次
第1回 明るい「ごめん」とポルトガル時間
第2回 寿司原理主義者、納豆を作る
第3回 過疎の村、焚火と豚肉で年を越す
第4回 アセニョーラの華麗なる復活
第5回 愛と憎しみの自家製ワイン
第6回 焼けた村と潤う人々
第7回 魚介王国ポルトガルと塩ダラの謎
第8回 テルと三郎
第9回 ポルトガルの緩い抜け道
第10回 狐と猫の境界線
第11回 マリアおばさんの豆と卵
第12回 都会の論理と田舎の現実
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
51
ドイツからポルトガルの限界集落に移住した筆者と夫。ヨーロッパは面積が小さいけれど、小さい割に地形や気候はさまざま。都会と田舎の違いも大きい。食や住居の具体的なエピソードも興味深いが、集落の人々との交流がポルトガルの気風をよく反映していると思った。何事もゆる~い。特に日時、仕事の納期など信じられないほど遅れる。とにかく、ポルトガルという国の魅力をたっぷりと見せてくれる「日記」だ。2026/06/14
Karl Heintz Schneider
42
著者はドイツ語文学翻訳者、生粋のドイツ人である夫とともに20年暮らしたベルリンをあとに縁もゆかりもないポルトガルの山奥に移住。なぜ?どんな理由が?誰もがそう思う中「私たちの人生初の不動産購入は、ほぼ衝動買いだった。」え~っ!そんなのってあり!?家の修理を頼んでも約束通りに来ることなんかほとんどない。「ごめんね~、次はちゃんと来るから。」そう言って、「次」もやっぱり来ないのだが明るく謝られると、まあいっかと許してしまう。この現象を「ポルトガル時間」と著者は呼ぶ。授業で聞いたブラジル時間と近い部分がある。2026/04/19
Nobuko Hashimoto
31
著者はドイツ文学の翻訳者。ドイツ人夫と長くベルリンに住んでいたが、人口10人のポルトガルの山村に移り住む。ご近所さんはみんな食用の家畜を飼っていて、著者らも広大な敷地に生える果物をとったり、自家製ワインを仕込んだり。自然に囲まれたのどかな素敵ライフのようだが、頻繁に起こる山火事のような脅威もある。山火事がなかなか収まらないのは成長の速いユーカリばかりを植林しているせいで、さらには火事後の復興工事や助成金で得する人も多く、泣くのは土地や家屋が焼けた人だけという話が印象的。イラストもかわいい。2026/06/02
tetsubun1000mg
25
ドイツの首都ベルリンに20年住んだドイツ人と日本人の夫婦が、ポルトガルの人口10人の村の山荘に住むという事自体がまるでドラマ。 地図で見るとポルトガルはヨーロッパの西端でスペインの1/6ぐらいの面積。 産業が無いのでフランスやドイツへの出稼ぎも多いそう。 ポルトガル語も片言しか話せないのに移住はびっくりだが地元の住民とは少しずつ馴染んでいく様子が面白い。 ブドウ畑や果樹の管理が性に有ってるようで苦にならないという。 ポルトガルからベルリンまで車で2700キロ移動している各都市のエピソードが一番面白かった。2026/05/01
ゆみのすけ
25
ドイツ語翻訳者の著者がドイツ人の夫とともにポルトガルの限界集落へ引っ越し、そこでの暮らしを綴ったもの。豊かな自然と素朴で濃密な人間関係を綴っただけではなく、コロナ禍の対応の是非、ヨーロッパ内の大国と小国の力関係など、日本にいては見えない政治的なことも語られていたのが、興味深かった。中でも一番心に残ったのはやはり限界集落に暮らす人々との交流。異国で暮らすことは決して楽ではないだろうが、時間をかけ、関係を築き上げ、そこが自分たちの居場所になっていくさまが感じられ、面白かった。2026/02/08




