内容説明
記憶なんかは幻なんやから、自分の好きな角度速度で眺めたらよろしい。
自然を許すとはどういうことか。
されたことは消えないし、許していかないと自分の心に害が及ぶ。
でも、許すことは、考えないこと、忘れることとは違って――。
☆☆☆☆☆
『ここはとても速い川』で野間文芸新人賞、『この世の喜びよ』で芥川賞、『無形』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞!
早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞も受賞した純文学界のニュースター、待望の最新長編!
☆☆☆☆☆
1995年、その時、まず驚きだけがあった。母と娘の厚美と三人で暮らす銅子を襲った地震。開けた場所に皆で布団にくるまって感じた恐怖、倒れたミシン、昨日とは違う景色、避難所の体育館、シャワーを浴びにいった梅田……。震災から幾年月、銅子と厚美の日常は続いていくが、あの経験を忘れるということはなく――。
芥川賞作家の静謐な筆致が紡ぎ出す、昭和から令和、母娘三代に流れる「時間」と震災の「記憶」の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
158
3月の第一作は、芥川賞作家の最新作です。井戸川 射子、4作目です。 本書は、昭和から令和、母娘三代に流れる「時間」と阪神淡路大震災の「記憶」の物語、家族小説でした。サプライズが欲しかった気がします。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/00004224842026/03/01
fwhd8325
62
これが井戸川さんだなと、またかという気持ちと流石だなという思いが交互に繰り返します。井戸川さんの作品を読んでしまうのは、その独特な文体にあるのかもしれません。異質に感じることもあるけど、それが日常なのかもしれないと思いました。本当に薄い紙一重の中に人々は生活を重ねているんだと感じます。2026/03/19
ゆのん
48
作者の作品は本作で4冊目となる。自分の読解力の無さを棚にあげて毎回とても読みにくい。句読点が独特であり、スルスルと読む事は出来ない。だが、理由は分からないが10頁程読んでいくとなぜか心地良くなってくる。本作は母娘3世代の話であり、時代も昭和、平成、令和と移っていく。兄の怪我や、娘のダイエット、大地震の経験など意思の疎通の出来ない自然への思いや、畏怖、憧れが描かれている。タイトルの通り語り手の気持ちや想いで構成されていて、母、娘それぞれの立場で共感出来る箇所が多く、時に可笑しさも感じる。感想が難しい作品。2026/02/07
もぐもぐ
39
昭和、平成、令和の40年以上にわたる祖母、母、娘の家族の物語。ほぼモノローグで構成される文章と今回も独特な句読点で読むのに難儀したが、慣れてくると語り手の感情が意識の中に流れ込んでくるような不思議な感覚。二度の震災(特に阪神淡路大震災)、出産、親子関係、ほんと人生って平凡なようでいて色々なことが人それぞれあるって感じられる話でした。 #NetGalleyJP2026/02/24
信兵衛
18
人生の時間は均等に進んでいくものですが、一方、記憶はそうではない。 過去の記憶の中で、震災に遭遇した最中での出来事の記憶は、忘れ難い、くっきりと記憶に刻まれる、そう語る作品のように感じます。2026/03/20
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