内容説明
明治維新を語るうえで外せない「草莽」。吉田松陰の「草莽崛起(そうもうくっき)」という言葉で知られる通り、それは、野にありながら天下危急のときにおのれを顧みず、大道に立つ壮士たちをさす。孟子に由来するこの言葉は、江戸時代後期に特異な思想的背景を孕むようになり、維新前夜、つかの間の煌めきを放った。その精神を鮮烈な筆致で描き出したのが、二・二六事件の先駆的再評価などで名高い評論家・小説家・歌人、村上一郎である。蒲生君平、高山彦九郎といった「草莽の処士」のさきがけから、頼山陽ら文化・文政の文人、水戸学、そして松陰と系譜的に論じ、その終焉を見届ける比類なき名著。解説 桶谷秀昭
目次
はじめに/第一の章 草莽とはなにか/第二の章 預言者の出現──蒲生君平と高山彦九郎/第三の章 在野文人の自立と進取の人びと──文化・文政の時代から/第四の章 水戸学の人びと──藤田一門と会沢正志斎を中心に/第五の章 吉田松陰──恐れ乍ら天朝もいらぬ/第六の章 松陰以降──コノこまり物/参考書目/おわりに/村上一郎『草莽論』解説(桶谷秀昭)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サッカーどうでもいい・寺
64
自刃して死んだ村上一郎が何故か昔から気になっている。その死も含め、革命にまつわる著作が多い気がして、幕末好きの私には気になる人だった。先日ツイッターで村上一郎の文の一部を見た。「武とは羞かしいものである」という一言でこの人がすっかり好きになってしまった。本書の巻末で先立たれた海軍の恩人を偲ぶ切ない一文にやられた。今ではもうすっかりいなくなってしまったタイプの人。この『草莽論』は最後に書かれた本だそうだ。草莽と呼ばれる人達の列伝的精神史。みなもと太郎の漫画『風雲児たち』を読んだ人にはピンと来る人達が(続く)2018/06/30
おサゲっち
4
令和に生きる自分の何と小さいことか、、、 幕末維新に通じる人々の系譜を追う本書。水戸学を経て、吉田松陰に至り、松蔭以降へ、、、 改めて明治維新は一朝一夕になったのでは無く歴史の表舞台に出ることのなかった草莽の人々によって繋がれていたことを認識した。2025/05/03
肉欲棒太郎
3
戦中は「市民社会派」青年だった村上一郎は戦後「社稷」派に行き、それが「草莽」に結実した。これは単に左翼から右翼に転向したとかいう単純な問題でもなさそう。ってか1年2ヶ月で618冊も本を読んだ吉田松陰すげ〜。巻末の参考書目がなかなか興味深い。パリ・コミューンの徒も「草莽」なのね。2019/06/09
こずえ
3
吉田松陰はあまりに有名。しかし彼の草莽崛起という言葉はそこまで認知されておらず、また草莽の由来や幕末思想の系譜についても思想史をやっている人以外には殆ど知られていない。これをさらっと読むことができる良書だった。吉田松陰に限らないが、いかな有名人であってもその人に影響を与えた人・文献はあるということを頭の片隅においてほしい2018/05/21
-
- 電子書籍
- 脳科学捜査官 真田夏希 イリーガル・マ…
-
- 電子書籍
- 流血女神伝 ~帝国の娘~(3) サンデ…
-
- 電子書籍
- ギリシア富豪は仮面の花婿【分冊】 8巻…
-
- 電子書籍
- ルーシィズクリニック0609カンジダ膣…




