内容説明
人と社会の在り方を問う
生き方、選挙と情動、子育て、言語と文体、病気と死、自然との対話、芸術と教養……
二人の思想家が森羅万象を語り尽くす
日本人が今見失っているものとは何か?
令和ニッポンを生き抜くためのヒントが満載!
第一章 情念と政治
第二章 陰謀論の時代をどう生きるか? ~求められる「感情教育」
第三章 居心地の悪い社会 ~子どもの自殺を考える
第四章 言葉の身体性
第五章 自然に学び、日本人が立ち返る場所を考える
終 章 死に直面して考えたこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
113
刺激的な対談である。いつもながら、養老先生の自然観・生物論や、内田先生の武道論・フランス近代哲学から教えられるものが多い。特に「シオニズムを生みだしたのは、ユダヤ人を市民社会の同胞として受け入れることを拒んだヨーロッパの反ユダヤ主義」という指摘に蒙を啓かされた。教育論も、いつも通り熱が籠っている。養老先生88歳、内田先生75歳。お二人の深い教養と見識を心から尊敬しつつも、一方、歳をとって、こんな風に「今の若者は…」「今の日本は…」などと毒を吐く老人にはなりたくないなあというのも、正直な感想ではある…。2026/02/13
tamami
69
養老孟司と内田樹、二人のビックネームによる対談。内容的にはお二人が以前から主張されてきた事柄が多くを占めるが、場を変えて話されると異なる印象を受けるのか、面白い話題も沢山。「額縁」が外れてしまった話、頭だけが人間の本体か、かつて日本の子どもは幸せそうだった、雑に生きよう、子育ては楽しい経験、二拠点生活のすすめ・・・。多様性の時代と言いながら、自然から遠ざかった生活の中には、トランプ大統領に象徴されるあれかこれかの選択しか残されていない。その証拠に、自然の塊のような子どもが生きにくい世の中になってしまった。2026/01/23
けんとまん1007
68
養老先生、内田先生の本はそれなりに読んでいることもあり、同感と思うことが多い。日本人が立ち返るというだけでなく、人間が立ち返る場所ではないかと思う。人間も自然の一部であるという、ごくごく基本的なところからだと思う。いつの間に、短絡的で一過性だけの空気が濃くなってしまったのだろう・・と思いつつ、その中でも、自分の五感で感じ取、自分の頭で考え続けることだけは諦めないで行こう。2026/04/01
踊る猫
32
実に深みというか俗に言う「コク」がある対談で、この2人がどのようにいまの世界を見据えているかを、しかしけっして専門家ぶらない視点から語ってみせる。情念や感情に支配されている人間存在が、しかしそれをだだ漏れにしないで冷徹にかつ知的に言語化するにはどうしたらいいか。あるいは、身体感覚に由来した生き方をつらぬくにはどうしたらいいか……1点納得できないのは内田氏の言葉で「母語においてのみ身体感覚は発揮される」というもので、ならば多和田葉子などはそうした「身体感覚」の発揮からははずれるのかと反論したくなってしまった2026/04/16
Tenouji
32
感情、情念、自然、身体性。問題意識がタイムリーで一気に読めた。「都市に暮らすようになった人間は、その限られた競争空間で、意識できる合理性のみを追求するようになり、感情を育んでいる、自然と対峙した物語も失いつつある」ということだと思うんだけど、今後、どのようにバランスを取り戻すかは、難しい問題だと思ってしまいます。2026/02/28




