内容説明
人類は呪術的な画像イメージの段階から、概念的思考が可能な文字テキストの時代を経て、150年前に「写真」という新しいメディアを得た。写真以後、映画、TV、コンピュータを含め、著者が称するところの「テクノ画像」(複製メディア)の時代へと突入する。このメディアは一見現実をそのまま捉えるかにみえるが、「装置」が介在し、制作、流通、受容の場を支配する。 脱産業社会/情報社会における人間の「自由」はどう得られるのか?文明論的考察。
目次
はじめに
I 画像
II テクノ画像
III 写真装置
IV 写真行為
V 写真
VI 写真の流通
VII 写真の受容
VIII 写真の宇宙
IX 写真の哲学の必要性
用語解説
解説/文明の大転換のさなかに――20世紀末にフッサールをどう読むべきか
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
多聞
6
本書は写真論としてだけではなく、第三次産業におけるシステムやプログラムと戯れる中から新しい自由を生み出す可能性、文化や知識を組織化して、新しいモデルの形成を訴えるなど情報論やメディア論以外にも様々な視点からの読み方が可能となっている。これからの在り方を考える上での参考になりうるだろう。2013/02/11
roughfractus02
4
メディア論は人間の変容をマンマシン・インターフェースから未来へ向ける。著者は写真を行為から捉え、撮る時は絵画の制作者でなく機械の操作者(オペレーター)となり、見る時は直線状に並ぶ文字を読むのではなく平面を眺めまわす(一瞬でも)という。加えて、操作者はすでに製品としてプログラムされた機械に従い、資本主義の生産から消費への移行を実現する点も指摘する。マクルーハンが人間概念の進化を称えるのに対し、著者がその変容を強調するのは、その語用に散見するブレインマシン・インターフェースを目指すAI用語からも理解できる。2017/03/02
ubon-ratchat
3
ここからどんな読みを引き出すかは「読者」の問題意識に委ねられている、というおもしろい本。本文も示唆的な記述がみられて面白いけれど、解説が秀逸なので読むべし。むしろ室井さんの本が読みたくなるおまけ付き。2010/11/10
kain
0
本文もさる事ながら、フルッサーの20世紀末における位置づけを図る室井氏の解説が非常に良かった。2010/12/22
yo_c1973111
0
かなり難解である。というかほとんど理解できない。後半に付される室井尚氏の解説がなければ読めない。(解説「はじめに」にて”本書の解説ではない”旨を書いてあるが、後半ではちゃんと解説してくれている。やさしい..)つまりはコミュニケーションメディウムとして有史以前から何度か変遷が起こっており、”写真”の出現と使われ方(あり方)はわれわれの社会での自主性(≒自由)を再構成できるきっかけとなる蓋然性を包摂している(または哲学することができる)、ということあたりなのだろうか?2019/08/29
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- 洋書
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