内容説明
「迅速尊重時代」の文学から20世紀をとらえる。
長編・短編を中心に語られてきた日本近現代文学史を、短編よりも短い小説、「掌編文学」から考察する。
1920年代半ばに流行した「コント」、新感覚派の試みとしての「掌篇小説」、プロレタリア文学の実践としての「壁小説」、国策文学としての「辻小説」、星新一を中心とした「ショートショート」……ほかにも、「原子小説」「四〇〇字小説」「けし粒小説」などの名ですがたかたちを変え、人々に親しまれてきた“ごく短い小説”掌編文学の百年を多角的に検証する。掌編文学を掲載するのに適したメディアであった新聞との関係も考察しつつ、太宰治、三島由紀夫、松本清張、村上春樹らの作品も具体的に論じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小谷野敦
2
著者から送られてきました。お礼。前半は、1920年代からの新聞などに載った掌編小説を戦後の時期まで網羅して載せていて、研究としては優れたものだが、読物としては退屈。読物としては、武野藤介を論じた箇所と、「億良伸」という作家の正体をはっきりさせていくところが面白い。しかし後半の「掌編小説を読む」になると、著者が発見したという坂口安吾の「復員」を含め、太宰、織田作、杉山平一、三島などの掌編を選んで評釈していくのだが、それらは結局単なる「作品論」の羅列になってしまい、掌編であることの必然性が感じられない2025/12/09




