内容説明
美大の同級生だった陽向、瑠璃、未緒、乙羽。四人展を開催するくらい仲が良かったが、卒業後に現れた男の存在が関係を歪ませる。久しぶりの再会の場となった瑠璃の結婚式で明かされた、六年前に大学で起きた事件の真相とその罪とは。ギャラリーストーカー、セクハラ、アカハラなど、美術業界の闇とタブーを炙り出す衝撃作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
125
ギャラリーストーカーの恐怖。パトロンとかの言葉の持つ気持ち悪さ。思い込みという感情の齟齬。全5話それぞれにざらりとする人の闇があった。いやぁ~な感じなのだ。なのに・・最後まで読ませてしまうというか、読んじゃった。身勝手な人物を描くのが上手い水生さん(当方比)その身勝手は肌感覚できっと私にもあって、だから、顛末が気になってしまうのだろうな。危ない危ない・・2026/03/19
タイ子
77
それは友人の結婚式から始まる。元美大生の友人たちが顔を合わせると昔話になるのは必定のこと。教授のドアが何者かによって赤く塗られていた事件。推理していくのはいいけど、それ今やる?もっと早くやっとけよ。そして、美大生の頃に悩まされていたギャラリーストーカーの存在。これはちょっと気色悪いわ。一章ごとに起こる出来事に誰かの登場でかき回され、変化球が向かってくるような気分。で、最後にその変化球は目の前でストンと落ちる。誰に感情移入するわけでもないけど、何かしらうそ寒さを感じたのは否めない。2026/04/12
ごみごみ
53
1話目から私の中に無意識にあるジェンダーバイアスに気付かされ、ドキッとさせられる。5話の連作短編、語り手が次々と変わり、それぞれの心の中に抱えるモヤモヤやイライラが見え隠れし、広がっていく疑心暗鬼。セクハラ、アカハラ、ギャラリーストーカー (←存在を初めて知った!) どれも見苦しく気持ち悪い。エスカレートしていく恐怖。どう対処するのが正しい?その後の展開が気になってラストまで目が離せない。2026/03/20
nyanco
34
元美大生たちが友人の結婚式きっかけであつまる。結婚式、当日、事件が起こり、過去の事件を振り返っていく。 第一章 2次会にしか呼ばれなかった陽向、友達って何、という引っ掛かり、ミスリードさせていただきました。中立な立場の陽向に対して、残りの女子勢の攻防が何ともいやらしい。水生さん、こういう女子の描き方が巧い。画風を盗む乙葉と盗まれた美緒、それが殺人にまで関わってくるとは、展開も面白かったです。美人で計算高い瑠璃ちゃん、これからも彼女のペースで生きるんだろうね。→続 2026/04/09
pen
32
美大時代の同級生が仲間の結婚式で集まり、在校時代に起きたある事件の検証から物語が始まる。そしてその連鎖で新たな事件が。各章ごとに語り手を変えることで真相の本質をぼやかし、細かな仕掛けで読者をミスリードする手法は面白かった。帯の「何度も騙される」は煽り過ぎだと思うが、初めて知るギャラリーストーカーの恐怖と、ある人物の行く末と、突き詰めれば、この親にしてこの子ありの感情が並行してしまう読後だった。2026/04/07




