内容説明
高校生時に『ちとせ』でデビューした、現役大学生による待望の小説第二作目。不況や政治改革に揺れる激動の明治初期を舞台に、運命に引き裂かれた少年たちの葛藤と成長を描く感動作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
39
昔、実家では「お蚕さん」を育てていて、2階からは桑の葉を食べる音がしていたのを思いおこさせる作品だった。養蚕が盛んだった明治初期、民権にいろいろな意味で身を投じた三人の青年がいた。それぞれの環境から、迷い、恐れ、衝突しながら信じる道と現実の間で揺れる葛藤は、繭の中で耐える蚕の姿に重なりました。やがて糸が紡がれるように、彼らの友情も成長し、思いは文字となっていく、長い道が待っている。選択肢のある生きかたがいかに大変だったかを、「子守り」は奉公人の仕事の一つではなく、職種だったとは切ない。2026/01/26
信兵衛
25
高野知宙さん、まだ2作目、それも大学生作家だというのに、本格的な歴史小説、それも民権、自由といった難しい問題を扱った重厚な作品を書き上げたことに驚愕するばかりです。2026/01/09
mitubatigril
15
京都文学賞の受賞作でデビュー作品の前作「ちとせ」を読んでいいなぁと思った作家さんの新作と言う事で早速読んでみることにした。 読み始めに あぁ人権物だぁ😅ちょい憂鬱に😔年越しからの図書館本のラッシュで届くは届くはの冊数でやばいと思いながら見た目薄さと延長ききそうなので後回しに💦 進むと以外に読めるし気になって行く。先に先と進むスピードが早い😊養蚕農家の奉公人の種吉がモヤモヤした考えを友人の壮介や民権運動の人々の主家の勘当された息子直助との会話や話しの中から自分なりの自由を考えいき、答えを導いていく 深いなぁ2026/01/27
そうたそ
13
★★★☆☆ 明治初期を舞台に、不安定な社会の中で、自由民権運動に関わっていく青年たちを描いた歴史小説。歴史上では名も無き庶民を軸に自由民権運動を描いた作品というのは、意外となかったかも。それぞれ立場の違うが、社会を変えたいという気持ちは同じくする三人の若者を軸に、激動かつ不安定な時代がよく描かれていたように思う。著者がまだ大学在学中であるというその若さに驚く。難を言うなら、総じて真面目すぎるというか堅すぎるというか。テーマ故のものもあるかもしれないが、やや肩肘張った感じのする内容ではあった。2026/01/18
ユウハル
13
明治を生きた名もなき人々の暮らし、葛藤が事細かに描かれていた。現代なら当たり前のように知っていることも、あの時代の人たちにとっては新しい知識であり、知る手段すら限られていたのだ。そんな中、自分で選び学んでいく青年を丁寧に書ききっていた。今の当たり前の考えはこういう人たち一人一人が繋いできたものだとあらためて心に響いた。2025/12/04




