内容説明
高校生時に『ちとせ』でデビューした、現役大学生による待望の小説第二作目。不況や政治改革に揺れる激動の明治初期を舞台に、運命に引き裂かれた少年たちの葛藤と成長を描く感動作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・隊鳥
76
【2026-59/図書館本-45】初読みの作家さん。舞台は自由民権運動が活発な明治中期。小作人の子・種吉は、奉公人という境遇に疑問を持たず生きていた。しかし、同郷の親友・壮介から「民権」の存在を、奉公先の長男・直助から「文字」を教わり、次第に学ぶ喜びに目覚めていく。五日市憲法や秩父事件を背景に、激動の時代・明治を生きる若者たちの姿が鮮烈だ。現役大学生による2作目とのこと。言葉の力を信じたくなる一冊だった。これからの活躍も楽しみだ。★★★+2026/04/30
天の川
63
自由民権運動(私擬憲法草案作成から秩父事件まで)を養蚕農家に奉公する青年の目で描く。文字も殆ど読めない種吉が町中の熱気で知る「民権」「国会」。民権派の大地主の家で働く幼馴染の壮介に誘われた勉強会や、東京から戻ってきた主家の長男・直助から教えられる文字や言葉から、民権思想に惹かれるものの、不安定な立場故に踏み出せない種吉。指導者の死と不景気で皆の熱気が冷めていく焦燥感から過激に走る壮介。議会政治黎明期、惑い、選択を余儀なくさせられる種吉・壮介・直助の姿に、私達が享受する民主主義の有難さを考えさせられる。→2026/04/29
しゃが
40
昔、実家では「お蚕さん」を育てていて、2階からは桑の葉を食べる音がしていたのを思いおこさせる作品だった。養蚕が盛んだった明治初期、民権にいろいろな意味で身を投じた三人の青年がいた。それぞれの環境から、迷い、恐れ、衝突しながら信じる道と現実の間で揺れる葛藤は、繭の中で耐える蚕の姿に重なりました。やがて糸が紡がれるように、彼らの友情も成長し、思いは文字となっていく、長い道が待っている。選択肢のある生きかたがいかに大変だったかを、「子守り」は奉公人の仕事の一つではなく、職種だったとは切ない。2026/01/26
信兵衛
28
高野知宙さん、まだ2作目、それも大学生作家だというのに、本格的な歴史小説、それも民権、自由といった難しい問題を扱った重厚な作品を書き上げたことに驚愕するばかりです。2026/01/09
mitubatigril
17
京都文学賞の受賞作でデビュー作品の前作「ちとせ」を読んでいいなぁと思った作家さんの新作と言う事で早速読んでみることにした。 読み始めに あぁ人権物だぁ😅ちょい憂鬱に😔年越しからの図書館本のラッシュで届くは届くはの冊数でやばいと思いながら見た目薄さと延長ききそうなので後回しに💦 進むと以外に読めるし気になって行く。先に先と進むスピードが早い😊養蚕農家の奉公人の種吉がモヤモヤした考えを友人の壮介や民権運動の人々の主家の勘当された息子直助との会話や話しの中から自分なりの自由を考えいき、答えを導いていく 深いなぁ2026/01/27




