闘病記の社会史 - 私をつむぎ他者とつながる物語

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闘病記の社会史 - 私をつむぎ他者とつながる物語

  • 著者名:門林道子
  • 価格 ¥3,740(本体¥3,400)
  • 青弓社(2026/01発売)
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  • ISBN:9784787235671

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内容説明

2人に1人ががんになり、終末期であっても告知を受ける現代では、病と主体的に関わることを求められる。では、「病とともに主体的に生きる」とはどのような経験なのか。「自らの病の経験を書く」ことにどのような意味があるのか。

本書は、1920年代に闘病という言葉を生み出した小酒井不木の著作をはじめ、小林麻央など現代の著名人、さらには現役の医師が書いた闘病記まで、100冊を超える闘病記を丹念に読み解く。海外で書かれた病気体験記の事例やジェンダーの視点を組み込みながら、「闘う」から「ともに生きる」へと変化してきた闘病記の歴史をたどり、そこに刻まれた医療や社会、死生観の変化を追う。

結核やがんが「不治の病」と呼ばれた時代から病と共存する現在への移り変わりのなかで、患者が現実を受け入れて自己の経験をつづり、患者同士をつなげる闘病記という「生の声」に光を当てて、私たちの生き方や望ましい医療のあり方を根本から問い直す。

目次

まえがき

第1章 つなぐ・つなげる闘病記――患者主体の医療を目指して
 1 いま、なぜ闘病記か
 2 増加するネット闘病記
 3 小林麻央さんとブログ

第2章 海外で書かれた病気体験記
 1 二つの問題意識
 2 ルース・ピカディ『さよならはまだ言わない』
 3 記者が自らのがん体験を紙面に書くということ
 4 イギリスでの闘病記に関する調査
 5 最近のロンドンで
 6 昨今、話題になったがん体験記

第3章 小酒井不木と『闘病術』『闘病問答』
 1 闘病という社会的造語
 2 『闘病術』
 3 『闘病問答』
 4 『新書 闘病術』
 5 小酒井不木の死
 6 探偵小説家としての小酒井
 7 闘病の先覚者
 8 闘病の広がりと「「闘病」記」の出現

第4章 結核からがんへ
 1 病に打ち勝った正岡子規
 2 岩瀬又吉『肺病征服記』
 3 『郷愁記』について
 4 働き盛りの無念
 5 闘病記という言葉の一元化

第5章 乳がんと闘病記
 1 乳がん闘病記の内容――二〇〇〇年代初頭まで
 2 医師・小倉恒子が残したもの
 3 現代の乳がん闘病記

第6章 闘病記を書くということ
 1 闘病記を書くことの意味
 2 書くことでのケア――臨床応用の試み

第7章 闘病記の現在
 1 肯定的変化とレジリエンス
 2 AYA世代のがん闘病
 3 医師が書いた闘病記

第8章 家族が書く闘病記と闘病記の将来
 1 家族が書く闘病記――悲嘆とレジリエンス
 2 闘病記の将来

巻末資料 闘病記一覧

初出一覧

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さわな

2
世界では日本ほど闘病記の出版等が多くないと聞いてちょっとびっくり。 アメリカあたり「ガンと闘う俺、ヒーロー!」みたいなノリで書きまくってると思ってた(偏見)。 自分がもしガンになったらと考えたとき、あんまり闘病記は読みたくないなーとこの本を読んで思った。 家族愛、人間愛、頑張って前を向こうとする内容とか根暗な自分が弱ってるときに読んだら死にそう。 闘病記は元気なうちに読もう。そうしよう。2026/07/07

はひへほ

1
内容メモ。英語や中国語に「闘病」に直接対応する言葉はなさそう。英語圏だと闘病記は自伝や体験記のジャンル。「闘病」が言葉として出てきたのは日本では1920年代。小酒井不木の『闘病術』がベストセラー。不治の病としての結核の時代。結核の治療が可能になってからは、がんの時代。病気の性質的にも、とくに乳がんが多い。病気と闘うという意図から病気と共に生きるという意図への変質。闘病記の意義として、状況の客観視、受容、自己の再構築、自己肯定を促すケアの機能。能動的で社会との相互作用。家族の目線でもグリーフケアをもたらす。2026/10/25

Tatsuo Mizouchi

0
「闘病」は日本独自らしい。欧米の war on cancer は社会が病と闘うが、日本の闘病は個人が頑張り、耐える。医療の中に病いを語る場が乏しかったから、患者は外で書き、読み、つながったのだろう。知らんけど。2026/06/28

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