内容説明
哲学講師の金井湛君は、かねがね何か人の書かない事を書こうと思っていたが、ある日自分の性欲の歴史を書いてみようと思いたつ。六歳の時に見た絵草紙の話に始り、寄宿舎で上級生を避け、窓の外へ逃げた話、硬派の古賀、美男の児島と結んだ三角同盟から、はじめて吉原に行った事まで科学者的な冷静さで淡々と描かれた自伝体小説であり掲載誌スバルは発禁となって世論をわかせた。(解説・高橋義孝)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
163
これも鴎外の「青年」と同様にかなり昔読んだ覚えがあるのですがすっかり忘れていました。発禁処分となったということですが今の状況からは考えられない気がします。どちらかというと教養小説の一種なのでしょう。見開きで註釈があり以前と比べ読みやすくなっています。私は学生時代に読んだときに主人公が備忘録を「紺珠」という表題にしていてそれをかなりの期間真似をしていたことを思い出しました。学生の頃の思い出です。2023/09/01
ヴェルナーの日記
132
森鴎外自身の体験を元にセクスアリス(性的欲望)を描いた作品。鴎外の作品の中で口語体で書かれてあるため、比較的読みやすい。発刊当初は、発禁処分になったいわくつきの作品だが、現代においては何ら問題なく出版されると思う。当時の遊郭とか、母が娘に教える秘密のお話などのエピソードが描かれていて、とても面白く読むことができた作品である。2015/06/11
優希
121
自分の性欲について書かれているようですが、そこまで性的なものは感じませんでした。悶々と心の中に抱え込んできたものを吐き出せないまま大人になった人物が書いたという印象です。淡々と書いているために性的要素をあまり感じなかったのかもしれません。割と普通の小説として読めますが、発禁となったくらいですから、男色や吉原などの性に対する描写が当時からすればスキャンダラスなことだったのかもしれません。固い時代にこのような作品を描いたことが凄いと思います。2015/09/15
青蓮
104
再読。どの辺が発禁処分に引っかかったのか気になる。「性」へのタブー視の度合いが現代と違うのは興味深い。2017/03/30
gtn
103
自分の性欲の歴史を明らかにし、それがノーマルなのかアブノーマルなのか判断しようというのが執筆動機の一つという。読了し、鷗外の性欲史自体はノーマルであった。しかし、これを公表したいという欲求がアブノーマルである。2018/03/11
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