内容説明
世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る過酷な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
210
村山 由佳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者の新境地でしょうか、戦前戦後輪舞曲大河小説でした。著者の通常の作品よりも読み応えがありました。今年のBEST20候補です。 ロシア人のバレリーナには憧れがあります。 https://www.shinchosha.co.jp/book/339953/2026/04/21
さてさて
191
『名振付家、久我一臣』の下へと取材に訪れる長瀬と果邪。この作品には、そんな二人が久我から聞くことになった先の大戦、そして戦後も長く続いた『シベリア抑留』の陰惨な日々を赤裸々に記す物語が描かれていました。『バレエダンサー』という生き方のリアルを見るこの作品。戦争が終わった後も何年も続く『シベリア抑留』という信じがたい史実に心が掻きむしられるこの作品。複線で描かれていく物語を結末に向けて一つに紡ぎ上げていく村山由佳さん。そんな村山さんがこの物語に込められた思いの深さにどこまでも圧倒される素晴らしい作品でした。2026/02/26
いつでも母さん
150
バレエ?DANCERじゃなくてDANGER?読み始めは遅々として乗らずリタイアかと・・あら、あらら第五章に入り入院中の果耶の祖母・さかゑ登場辺り、いや、日ソ交戦辺りからどんどん進む。そして私の身体は怒りと憤りに覆われて無常感の涙が頬を伝った。沢山の久我氏がいただろう(戦地で散ったスポーツ選手もいた)沢山の翠や、さかゑもいたのだ。女と言うだけで帰国してからの過酷な現実は圧巻。村山作品のベストと言えるのじゃないだろうか(リタイアなんて言ってごめん)読みながら私はシベリア抑留から帰還の亡き父に思いを馳せた。2026/03/27
星群
102
戦前戦中戦後のバレエの軌跡を追った長編小説。バレエ7対戦争3位の割合なのかと思って読み始めたら、逆でした。確かに一字違いですね、〝DANCER〟と〝DANGER〟って。戦争の話は、やっぱり身を切る程の切なさですね。もう会えなくなるであろう家族よりも、仲間や自分のするべきことを選択する。私は、たぶん出来ないだろうな。凄まじいバレエ記でした。2026/04/27
優希
89
ダンサーの物語と思いきや、第二次世界大戦と絡む物語でした。辛く苦しい空気が流れていましたが、読む手が止まらなかったです。バレエと戦争を背景に、過酷な運命に翻弄されつつも希望を見出していく壮絶な物語に引き込まれました。濃厚で過酷な物語。面白かったです。2026/03/18




