内容説明
議論。たがいの意見を論じ合うこと。論じるとは、すなわち、筋道を立てて意見を述べること。鈴木陽太、小6。クラスのキャラは(自称)「通行人C」。対するは、圧が強すぎるへんなやつ、海野芽衣、年上と思いきや同い年。たまたまフリーマーケット会場で出会っただけのふたりの間に、いま、舌戦のゴングが鳴る。〈Round1 寝ころんでいる親をまたぐのは、是か非か〉ーーさあ! あなたの意見を述べて! 「子どもの貧困」を描きNHKでのドラマ化も話題を呼んだ『むこう岸』の作者・安田夏菜が贈る、小学生ふたりのいたって真面目な白熱「議論」バトル(!?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イカまりこ
7
親とケンカして家を飛び出した少年が神社で開催されてるフリマで出会った少女と議論していく話。くだらないケンカの種も考えていくと人権問題にまで発展するほど深かった。今までの経験で当たり前と思ってることも、時代が変わって変化してるんだよな。子供のいない私は自分の時代と今の子を比較するすべがなく、児童書から吸収しているようなもの。子供の頃から将来の夢を考えるのが苦手だったので、夢を持つべきかの章はかなり抉られた。大人だっていまだに自分がどんな人なのか迷う。自分で自分のことを嫌うような行動だけはしたくないと思った。2025/12/03
鳩羽
2
6年生の陽太は、父親を跨いだことで叱られ、腹を立てて家を飛び出す。たまたまやってきたフリマで出会ったのは、同じ6年生で議論好きの芽衣。陽太は、親を跨ぐ是非について芽衣と議論するが…。他にも、知らない人にお金を貸すこと、子供が髪を染めること、など、様々なテーマがあり面白い。芽衣に言い負かされながらもそれが楽しみでフリマに通うようになる陽太は、勝ち負けを決めることではなく、議論すること、議論するために考え続けることの大切さを見つけていく。最終的に、自分たちにとって身近なことについて大人と議論する展開が熱い。2025/12/24
かはほり
1
最初は、ティベート入門のような物語と思っていたけど、学校生活で苦労している子どもたちにはかなり刺さる言葉が満載で、共感や反発がある作品だと思う。かつての職場でも言いたいだけ言って他人を全否定して相手を怒らせて結局どうにもならなかった人と自分の言い分を相手に納得させる人の違いが結構鮮明だったので、物の言い方は大事だと思っていた。子どもたちには、その違いを理解してほしいのでこの本をお勧めしたい。2025/12/17




