神の蝶、舞う果て

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神の蝶、舞う果て

  • ISBN:9784065416518

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内容説明

「ときどき思うのよ。偶然って、本当にあるのかしらって。この世には、私たちには見ることも、思い描くこともできない複雑な糸がはりめぐらされていて、その壮大な布の中では、どれもが、あるべきところにあるとしたら……」(本文より)

降魔士の少年・ジェードは、神と魔物、光と闇が共に宿っているとされる、神聖でありながらも恐ろしい聖域<闇の大井戸>で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負って暮らしていた。ある日、ジェードの相棒である少女・ルクランが、聖なる蝶が舞い上がって来る予兆の鬼火に触れる事件が起きる。他の降魔士たちと違い、なぜか、予兆の鬼火に激しく反応してしまうルクランは、聖域を守る者のなかで波紋を呼んでいた。自分がなぜ、そんな反応をするのかを知りたいと願うルクランと、ルクランを守りたいと思うジェード。それぞれの思いをよそに、ふたりは壮大で複雑な運命の糸に絡め取られていく。

1999年から2001年にかけて、上橋菜穂子の代表作である『守り人』シリーズの創作と並行して執筆されたこの物語は、のちの『獣の奏者』、『鹿の王』、そして『香君』にもつながる、作者の創作の軌跡を知ることができる貴重な作品でありながら、これまで書籍化されていませんでした。
この物語は、人と人との関係だけでなく、人間と他の命ある存在との繊細で複雑なつながりを描きたいという著者の想いから生まれました。
執筆から二十年以上の時を経て、円熟の域に達した著者の手で加筆修正され、力強くも美しい物語へと成長した物語が、ついに世界へと解き放たれます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

206
上橋 菜穂子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の初期の幻の作品の書籍化、著者の傑作群と比べると物足りさは感じますが、世界観を味わいました。 神の蝶の甘い匂いを嗅いでみたい🦋🦋🦋 https://cocreco.kodansha.co.jp/special/kamicho2026/02/26

美紀ちゃん

91
新作ではなく雑誌に連載されていたものを改めて加筆修正。ジェード15歳。闇の大井戸からはラムラーを育む〈神の蝶〉も、その〈神の蝶〉を食らう〈蝶の影〉も、共に舞い上がってくる。湖に異変が起きラムラーが大凶作になったとき〈魔族の子孫〉の島に咲いた巨大な花は〈闇の大井戸〉にそっくりだった。〈闇の大井戸〉がラムラーを育むものなのか?それとも滅ぼすものなのか?わからない。ルクランが大井戸に落下!生態系の謎や目の色がみんなと違うというルクランのルーツが知りたくて一気読み。アニメ化されたら嬉しいな。ファンタジーいいよね。2026/02/19

うっちー

81
生態系の不思議さを認識させてくれるファンタジーでした2026/02/26

ネギっ子gen

79
【……この世に、訳のないことなどない。ただ、人がその訳に気づかぬことがあるだけだ】聖域<闇の大井戸>を舞台に、“光と闇”をめぐる降魔士の少年・ジェードと相棒の少女・ルクランの物語。四半世紀前の雑誌連載を書籍化。若き頃の「熱や勢い」を感じさせつつ「確かに上橋作品だ」と吐息が洩れた……。カバー装画・題名も良き。とても響いたフレーズ。<先にあきらめて、自分から離れてはだめ。人の心はひとつの色しかないような単純なものじゃない。心からの怖れと、心からの愛情が、いっしょくたになっているときだってある>と。ええ…… ⇒2026/03/12

pohcho

75
神が下された糧ラムラーの実。その花を受粉させてくれる神の蝶と神の蝶を喰らうために闇の底から舞い上がってくる蝶の影。神の蝶を守るため聖地・闇の大井戸に常駐する降魔士と呼ばれる番人たち。上橋さんがお若い頃に書かれた作品とのことで「守り人」「獣の奏者」とは比べものにならないが、その後の作品につながるものは感じられた。この世に生きているのは人だけではない。多様な生命が満ち溢れ、それぞれが様々なつながり方で複雑に関わりあっている。この豊かな世界をどう存続させていくかというテーマは今の世界にとても必要なものだと思う。2026/03/03

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