内容説明
種田山頭火、尾崎放哉、高橋鏡太郎、西東三鬼……
破滅型、漂泊型など強烈な個性を持った十一名の俳人たち。
人生と世間と格闘しつつ、俳句に賭けた彼らの壮絶な生きざまと文学世界を端正な筆致で彫琢する。
読売文学賞受賞作。
解説・高橋順子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
13
石川桂郎も酒飲みでけっこう風狂の人だったようだが、文章が上手い。俳人が随筆が上手いのは芭蕉とか子規がそうであったように観察眼が鋭いのかな。また俳句がポイントとして、例えば三鬼の病に侵された晩年の入院生活の中で、「水枕ガバリと寒い海がある 西東三鬼」のような名句が生まれたのだという。風狂の俳人は大体がアル中というような人ばかりだが、山頭火が酒の句よりも水の句を詠んでいたというのは鋭い指摘だ。どこか浄化されたいものがあったのかもしれない。2024/01/27
isbm
2
★★★2024/10/28
残心
1
まさに「俳人風狂列伝」。 ななめ読み、あしからず。 図書館本2024/06/04
ラム
1
十一名の俳人列伝 表題「風狂」では済まされない決して隣人にしたくない人物ばかり しかし、必ず無私の支援者に支えられ後世に残る句業を成し遂げる 中でも新宿の酒場ボルガの店主高島茂は何人も支援した芯の強い印象的人物 著者が直に接した俳人の挿話は生々しく、辟易する話が頻出 憎めない面もあるから支援者がいたのであろうが、阿部浪漫子だけは不愉快極まりない 一編二十頁程度であるが、同じ俳人としての著者の親近感が滲む一方、そこはかとない悲しみも漂う 解説の高橋順子は今は亡き車谷長吉の夫人で、車谷も著者を評価していたとか2020/11/08
ひじき
1
俳人の中でも破天荒な生き方をしたひとたちを取り上げた本。言葉の使い方や話題の転換に時代っぽさというか独特な感じがある。読んでると芸術ってこんな破天荒じゃないとできない…?って思うんだけど、俳句への一途さとものごとを見る目の違いから来るものだろうか。2017/12/10




