内容説明
手近なリゾート地というイメージが定着しているサイパン島は、第一次世界大戦中の1914年からアメリカが占領する44年まで、日本の統治下に置かれた。
移民によって開墾され、「南洋の東京」として栄えたが、やがて戦禍に──。
「楽園」を求めて南の島に渡った二つの家族を通して、日本領サイパン島の歴史をダイナミックに描く。〈解説〉池澤夏樹
〈目次〉
プロローグ
第1章 漂着
第2章 獣の島
第3章 南洋成金
第4章 南洋の東京
第5章 北ガラパン二丁目大通り
第6章 南村第一農場
第7章 海の生命線
第8章 軍島
第9章 戦禍
第10章 収容所
エピローグ
解説 池澤夏樹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ノト
1
100歳の知人女性から戦時下のサイパンでの壮絶な体験を聞いた。当時の事に余りに無知なので、借りてみた1冊が大当たりだった。南方移民は何がきっかけだったか、何故山形と沖縄の方々が多いのか。民間人の半数以上がなぜ命を落としたか。活況を極めていた頃の目抜き通の人々の暮らしぶりが目に見えるように描かれるからこそ、投降を許されず玉砕を命じられ本土防衛の捨て石とされた山中の逃避行が絶望を深める。膨大な資料と聞き取りによる、圧倒される労作。この犠牲が出た時点で降伏していれば、沖縄・本土空襲・広島・長崎の悲劇はなかった。2025/07/20




