内容説明
時代小説の名手・山本一力が、
自身初となる中国の歴史を題材とした小説に挑み
話題となっている、月刊「潮」連載中の
小説『蒼天有眼──雲ぞ見ゆ』シリーズの単行本第二弾!
中国の歴史をモチーフとしたシリーズの今作は、
日本に饅頭(まんじゅう)を伝えた林浄因(りんじょういん)をめぐる物語──。
元代末期の至正五年(一三四五年)。
杭州・西湖に近い禅寺で寺男として働く林浄因は、
幼馴染の丹錘とともに日々を誠実に過ごしていた。
そんなある日、凍結した厳寒の西湖で修行のため
日本から渡来した禅師・龍山徳見と出会う。
氷の張った湖で転んだ幼い姉弟を救うその姿に
浄因は深く心を動かされる。
異国から来た僧との出会いは、
やがて林浄因の運命を大きく動かすことに。
浄因は禅師の故国帰国に従い、日本に渡ることを決意する。
元代の杭州・西湖湖畔から、室町時代・南北朝初期の奈良へ。
そこで林浄因を待っているものとは!?
海を越え、国境を越えて紡がれる、愛と哀しみの物語──。



