ファイブ・アイズ――五カ国諜報同盟50年史

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ファイブ・アイズ――五カ国諜報同盟50年史

  • ISBN:9784867930663

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内容説明

“エシュロン”の名で取り沙汰され、スノーデンの暴露で一端が明らかに。
長らく謎に包まれた「秘密同盟」、内部関係者による初の証言。

■解説:小谷賢(日本大学危機管理学部教授)

●「ファイブ・アイズ」とは、米・英・加・豪・ニュージーランドの五カ国によるインテリジェンス共有体制の通称。
●軍事や政治、テロや武器取引、さらに気候変動に関する情報まで、扱う範囲は安全保障に関わる全てにわたる。
●本書は、英米双方の情報機関で五〇年にわたって活躍し、秘密工作の現場に携わってきた人物による、内側からの重要な証言。

著者は、英米双方のインテリジェンス機関に仕えながら、現場の秘密工作やカウンターインテリジェンスに携わった異色の経歴を持つ人物。五〇年にわたってファイブ・アイズに関与してきた彼が、自らの経験とともに、この同盟の起源と発展、そして次々と新たな脅威が台頭するなかでの未来までをも明らかにする、内側からの重要な証言。

■本書へのレビュー
諜報機関に馴染みの薄い人であっても本書の議論を楽しめるに違いない。グローバルなインテリジェンス活動と戦略の歴史について学び始めた人にオススメしたい。――「ジャーナル・オブ・ストラテジック・セキュリティー」

現役・予備役・退役を問わず、米国海軍の情報将校と上級情報専門家たち全員に、本書を読むことを強く推奨する。――「NIP(海軍情報専門家)リードブック」

【内容目次】
献辞
ウェスト卿による序文
はじめに
第1章 英米の特別な関係の成立――一九六八~七四年
第2章 ソ連からの挑戦――一九七四~七八年
第3章 政治的・構造的変化――一九七八~八三年
第4章 特別な関係の最盛期――一九八三~二〇〇一年
第5章 二〇〇一年九月一一日とその余波
第6章 インテリジェンスの役割、使命、活動――一九九〇~二〇一八年
第7章 現在の脅威と新たな脅威
第8章 二一世紀におけるファイブ・アイズ・コミュニティー
付録 著者が影響を受けた人物と恩師
略語一覧/原注/参考文献
訳者あとがき
解説 小谷 賢

【著者プロフィール】
アンソニー・R・ウェルズ (Anthony R. Wells)(著)
英米両国の市民としてそれぞれの諜報機関に勤務した経験を持つ、存命中唯一の人物として知られる。ロンドン大学で博士号を取得後、イギリス海軍兵学校で訓練を受け海軍に入隊。情報操作などの秘密作戦に従事し、最年少で教官も務めた。米国市民となったあとは米海軍にて揚陸艦『コロナド』、潜水艦『フロリダ』等で勤務する。その後アメリカ国家諜報機関において人員、インフラ、政治システム等へのテロ攻撃のダメージ最小化等の任務を務め、現在は現代情報戦の専門家として知られている。

並木 均 (なみき・ひとし) (訳)
1963年、新潟県上越市生まれ。中央大学法学部卒。公安調査庁、内閣情報調査室に30年間奉職したのち、2017年に退職、独立。訳書にケント『戦略インテリジェンス論』(共訳、原書房、2015)、キーガン『情報と戦争――古代からナポレオン戦争、南北戦争、二度の世界大戦、現代まで』(中央公論新社、2018)、パーネル『ナチスが恐れた義足の女スパイ――伝説の諜報部員ヴァージニア・ホール』(中央公論新社、2020)など多数。

小谷 賢 (こたに・けん) (解説)
日本大学危機管理学部教授。1973年京都生まれ。立命館大学卒業、ロンドン大学キングス・カレッジ大学院修了、京都大学大学院博士課程修了。防衛省防衛研究所主任研究官、防衛大学校講師、英国王立防衛安保問題研究所(RUSI)客員研究員等を経て現職。専門は国際政治学、インテリジェンス研究。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

118
ナチスドイツと戦った米英は情報分野でも連携したが、冷戦に突入すると加豪NZも含めた情報同盟が形成された。それから80年、ソ連崩壊から911、アラブの春と新たな事態を迎えながら、5か国の情報関係者は自由主義国の国家安全保障のため懸命に働いてきた。各国が政治や経済で対立しても決して巻き込まれず、世界平和を担ってきた姿はまさに裏の国連か。パフォーマンスや空理空論に終始する表の国連よりも、よほど役立っている。大統領も首相も数え切れないほど変わったが、変わらず黙々と任務を果たして年老いていく彼らこそ真の英雄なのだ。2025/04/12

KAZOO

95
「エシュロン」という言葉は何度か聞いたことがあるのですが、「ファイブ・アイズ」は聞いたことがありませんでした。ファイブ・アイズとは米・英・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの英語圏の5か国によるインテリジェンス共有体制の通称とのことです。この著作はそこに数十年携わってきた人によるその内情を説明したものですが、私はなぜこのようなものがありながら、9.11が起きたのかを知りたいと思いました。確かに目が違い方向を向いていたことやほかの組織が弱体化していたこともあったようです。若干言わけがあるようです。2025/09/14

kk

19
図書館本。英海軍出身の著者が、数十年に及ぶ情報関連業務を振り返り、英米間の情報・海軍協力や所謂「ファイブ・アイ」協力の経緯・意義などを述懐。併せて今日のデジタル環境下における情報領域の脅威・リスクの実態を紹介しつつ、先端技術を用いた対応や多国間協力の重要性等を提唱。勉強になる面も多々ある一方、語り口が些かとりとめなく、どっかのご隠居が昔の自慢話とか説教をしているような趣も。また、これだけの著作を翻訳するのはたいへんなこととは思うものの、この日本語の読みにくさは特筆すべきレベル。誤訳も少なからず。2025/08/12

いいちゃん07

9
スパイ小説で「エシュロン」という名称を聞いたことはあるでしょうか? 前記作品群では、世界中の通信を傍受・収集しているシステムを指すことが多いです。 現実世界での「ファイブ・アイズ」とは、米英加豪+ニュージーランドという英語圏を主とする情報コミュニティを指します。同コミュは日々サイバー空間で音声・テキスト・様々な信号を収集しています。軍事は勿論、対麻薬カルテル、対テロとその情報を分析して然るべき部門へ情報共有しています。 トム・クランシー作品が好みならば必読だと思います。まさにオプセンターの世界です。2025/11/01

やすお

8
ファイブ・アイズとは英米加豪ニュージーランドの5カ国で構成されるインテリジェント同盟のこと。第二次世界大戦から冷戦を経て現在も機能している同盟である。ファイブ・アイズの行動を中の人が語るのだが、著者が公開情報しか書けないと前置きしているものの、著者が経験した事は、現代の諜報の奥深さを想像し得るものだ。公開できる範囲でこれだけ書けるのなら、隠されたものはどれだけヤバイのか容易に想像できる。やはり日本もCIAやMI6のような諜報機関が必要だな。軍事的ではなく経済的に負けないようにだ。2025/06/16

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