内容説明
1985年11月、「労働組合日本プロ野球選手会」が設立された。設立から40年。初代会長の中畑清や、FA制度導入の立役者・岡田彰布、球界再編問題で奮闘した古田敦也、FA権取得期間の短縮を勝ち取った宮本慎也、東日本大震災時に開幕延期を訴えた新井貴浩、そして執筆当時会長だった會澤翼など歴代の選手会長を取材。球界で巻き起こった様々な事件の真相を明らかにするとともに、日本プロ野球選手会の存在意義を伝える。
目次
序章 日本プロ野球選手会の存在意義とは何か
第1章 労組創設者、中畑清
第2章 目に見えないファインプレー、陰の功労者たち
第3章 ヤクルト選手会を復帰させた男、尾花高夫
第4章 FA制度導入の立役者、岡田彰布の「仕事」
第5章 スト決行、古田敦也の決断
第6章 田尾安志、新球団という葛藤
第7章 「ポスト古田」に自ら手を挙げた宮本慎也「ここからやろ」
第8章 踏まれても踏まれても真っすぐに、『はだしのゲン』になった新井貴浩
第9章 10年後の選手のために 會澤翼
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hideto
10
スポーツノンフィクションライターとして全幅の信頼を置いている木村元彦さん。そんな彼の新刊を見つけ、早速読み始め。プロ野球選手の権利がほとんどないに等しかった時代に労働組合を立ち上げ、今に至る道筋を作った方たちの軌跡です。最初の立ち上げにあの中畑清が関わっていたことに驚いたり、その後も紆余曲折を経て、今のプロ野球界を築いてきたことがよくわかります。特に20年前に起こったストライキ。あの決断がなかったら、今頃プロ野球はどうなっていたんだろうかと思います。一プロ野球ファンとして、大変読み応えのある一冊でした。2025/12/08
バーニング
5
一人の野球ファンとして非常に読んだ甲斐を感じられる一冊だった。選手会の前身組織が発足した1980年代初頭から物語は始まり、絶好調男こと中畑清が団体交渉などの労働法的な権利を持つこともできる労働組合としての選手会を立ち上げようとするところが序盤。一度揉み消された過去があるため、絶対に球団オーナーたちにバレないように数年単位の時間をかけて当時の現役選手たちに説明、説得に奔走する様は本書でも詳述されている2004年の古田の姿を思わせる。しかしその古田の活躍もまた、1980年代のキヨシの粘り強さが下地だったのだ。2025/11/27
えびちゅん
4
1人の野球ファンとして読んでいて胸が熱くなった。野球界全体、未来まで考えてグラウンド外での苦労や煩わしさの方が多いのになかなかできることではない。その熱い志と真っ直ぐな人柄がやはり人を惹きつけてことを成せたのだろう。改めて中畑清に大あっぱれだ。今の選手達がメリットを感じないと思うくらい不自由なくプレーできることこそ、先人達が築き上げてきた最大のメリットなのだ。あの時1リーグ制になっていたら、放映権ビジネスの終焉と野球人気は衰退し大谷翔平は生まれず、今日の繁栄もなかっただろう。改めて先人達の闘いに敬意を。2025/12/23
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2025年11月初版。初出、集英社オンライン『kotoba』2025年春号。今年は労組日本プロ野球選手会結成四十周年、創設者の中畑清から現会長の會澤翼まで十代会長のうち、六名への取材を基にしたノンフィクション。2025/12/18
ご〜ちゃん
0
中畑清をはじめ、選手会長になった選手やそれを支える人たちの努力で、その時々の課題を解決して来たのだとわかった。 選手会長という超多忙で気苦労が絶えない中で、ベストに近い成績を残した選手が多いことに驚いた。2025/11/29
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