内容説明
トーリックトポロジーの基本精神は,空間のトポロジーをトーラス作用を用いて調べ,それを組合せ論の言葉に落とし込む,または組合せ論との関係を探ることである.本書はトーリック幾何をトポロジーの手法を用いて展開.異なる数学分野が交錯する題材を取り上げ,多様体の例を豊富に交え,トポロジー不変量を具体的に記述・計算する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
はしがき
1 凸多面体,単体複体,面環
1.1 凸多面体
1.2 凸多面体のfベクトル
1.3 Dehn-Sommerville等式
1.4 置換多面体
1.5 単体複体のfベクトルとhベクトル
1.6 面環(Stanley-Reisner環)
1.7 単体的セル複体
1.8 格子凸多面体の格子点の数え上げ
2 同変コホモロジー
2.1 群作用
2.2 同変コホモロジーと同変特性類
2.3 局所化定理
2.4 積分公式
2.5 Atiyah-Bredon完全系列
2.6 ラベル付きグラフ
2.7 同変コホモロジーの計算例
3 トーラス多様体
3.1 定義と例
3.2 軌道空間のトポロジー,その1
3.3 トーラス多様体のコホモロジー環と特性類
3.4 軌道空間のトポロジー,その2
3.5 シンプレクティック多様体上の群作用
4 トーリック多様体
4.1 定義と例
4.2 基本定理
4.3 代数的トーラスの表現空間
4.4 局所座標
4.5 トーリック多様体から扇へ
4.6 扇からトーリック多様体へ
4.7 代数多様体としての同型
4.8 Bott多様体
5 トーリック多様体のトポロジーと組合せ論
5.1 コホモロジー環と特性類
5.2 同変コホモロジーと扇
5.3 トーリック曲面
5.4 トーリックFano多様体
5.5 χy 種数とPoincar 多項式
5.6 置換多様体
5.7 直線束と格子点の数え上げ
6 トーリック多様体のトポロジー版
6.1 トーラス多様体と多重扇,多重多面体
6.2 擬トーリック多様体
6.3 位相的トーリック多様体と位相的扇
6.4 トーリック多様体の実数版
7 コホモロジー剛性問題
7.1 手術理論による多様体の分類
7.2 トーリック多様体のコホモロジー剛性問題
7.3 トーリックFano多様体のコホモロジー剛性予想
7.4 実Bott多様体と平坦Riemann多様体
7.5 Pogorelov多面体と3次元双曲多様体
8 旗多様体のトーラス軌道
8.1 Grassmann多様体
8.2 旗多様体
8.3 トーラス軌道の閉包のモーメント多面体
8.4 Coxeterマトロイド
8.5 対称群上の距離とCoxeterマトロイド
8.6 対称群上のレトラクション
8.7 Bruhat区間多面体
9 Hessenberg 多様体
9.1 正則半単純Hessenberg多様体
9.2 H*(Hess(S, h))上の対称群作用
9.3 グラフ理論との関係
問題の略解
参考文献
索引



