内容説明
個人の意思決定は、誤った情報、衝動、偏見によって、しばしば間違ってしまう。一方で、集団的意思決定は、「素人たち」によるものだとしても、驚くほどに正確である。集合知を可能にするメカニズムそのものが、デモクラシーの強力な根拠となることを論証する。「認識的デモクラシー」の理論モデルを提示した野心的著作、待望の邦訳。
目次
謝辞
プロローグ
第一章 迷路と大衆
1 迷路と大衆
2 デモクラシーの意味について
3 民主的理性の問題領域と政治の情況
4 人民の集合知としての民主的理性
5 本書の概要
第二章 デモクラシーは愚かな多数者による支配なのか?
1 現代の民主主義理論における反民主主義的偏見
2 人民の何が問題なのか?
第三章 デモクラシーの認識的議論の選択的系譜学
1 プロタゴラスによる神話:普遍的な政治的智慧
2 アリストテレスの饗宴:多ければ多いほど賢い
3 マキァヴェッリ:民の声は神の声
4 スピノザ:合理的な多数派
5 ルソー:一般意思は常に正しい
6 コンドルセ:大数と賢い多数派
7 ジョン・スチュアート・ミル:認識的民主主義者もしくは認識的リベラル?
8 デューイ:デモクラシーと社会的知性
9 ハイエク:社会の分散された知識
第四章 民主的理性の第一のメカニズム:包摂的な熟議
1 熟議:よりよい論拠の力
2 問題解決としての熟議:なぜ認知的多様性はより賢いのか
3 より包摂的な熟議集団がより賢いのはなぜか
4 代表
5 選挙vs.無作為抽出




