内容説明
東南アジア諸国では急速に浸透するソーシャルメディアが大きく政治的競争のあり方を変えつつある。
インドネシア、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、タイの事例を通して、ソーシャルメディアが民主化を促進する力をもつ一方で、妨げる側面も持ちうる現状も指摘する
目次
序章 ソーシャルメディアと東南アジアの民主主義[見市建・茅根由佳]
1.ソーシャルメディアの光と影
2.ソーシャルメディアが変える東南アジア政治
3.本書の内容
4.ソーシャルメディアは東南アジアの民主主義を後退させるのか?
第1章 インドネシア・ジョコウィ政権にみる情動エンジニアリングの政治[本名純]
1.はじめに
2.ガバナンスとしての戦争
3.2019年大統領選挙にみる「プラボウォ脅威」のプロパガンダ
4.「民主化改革」の骨抜きに向けて
5.おわりに
第2章 2019年インドネシア大統領選挙におけるオンライン・イスラーム説教師の台頭[茅根由佳]
1.はじめに――2019年大統領選挙におけるイスラーム主義勢力の台頭
2.イスラーム主義指導者による動員戦略の変化
3.分極化の構図――「反イスラームの権威主義政権」と「善良なるムスリム」の対立
4.虚偽の中立宣言とラストスパートの演出
5.分極化の傷跡
6.おわりに
第3章 ソーシャルメディアのつくる「例外状態」:ドゥテルテ政権下のフィリピン[日下渉]
1.はじめに
2.侵食される自由民主主義
3.ポピュリズムと新自由主義の昂進
4.ソーシャルメディアと「義賊ドゥテルテ」の構築
5.ドゥテルテによる「例外状態」の政治利用
6.おわりに
第4章 治安部門のグッド・ガバナンス:どうすれば軍を監視できるのか[木場紗綾]
1.はじめに
2.軍にとってのソーシャルメディアと戦略的コミュニケーション
3.治安部門のグッド・ガバナンス――ソーシャルメディアによる軍の監視の限界
4.ソーシャルメディアを通じた新展開?――フィリピン・マラウィの戦闘から
5.ソーシャルメディアによる暴力の監視に向けて
第5章 ナジブ・ラザクとマレーシアのソーシャルメディアの10年(2008~2018年)[伊賀司]
1.はじめに
2.2008年総選挙の衝撃とBNのソーシャルメディアへのキャッチアップ
3.活性化する社会運動と野党の2013年総選挙への対応
4.2018年総選挙でのサイバー部隊、データ駆動型選挙と進化したショートムービー
5.2018年総選挙後のボスク・キャンペーンとナジブ
第6章 自由とソーシャルメディアがもたらすミャンマー民主化の停滞[中西嘉宏]
1.はじめに
2.表現の自由はどのように拡大したのか
3.自由が生んだ宗教間紛争
4.新しい情報環境に適応する国軍
5.スーチー政権の不寛容
6.おわりに
第7章 権威主義体制下のサイバー空間:タイ軍事政権による情報統制[外山文子]
1.はじめに
2.21世紀のタイ政治――大衆デモと2度のクーデター
3.ソーシャルメディアと政治的亀裂の深まり
4.プラユット暫定政権の登場と情報統制
5.ソーシャルメディアの取り締まり
6.ソーシャルメディアにおける市民の対応
7.情報統制とタイ民主化の未来
感想・レビュー
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