内容説明
彼女が「レシタティフ」を「実験」だと言うなら、本気でそれを意図しているのだ。その実験の被験者は読者である――
施設で同室になったトワイラとロバータは、白人と黒人の二人組で「塩と胡椒」と呼ばれていた。 月日が経ち、二人はダイナー、スーパー、デモ集会、レストランで四度再会する。 二人が共有する記憶と彼女たちについて、何が正しいのだろうか?
ノーベル文学賞作家、トニ・モリスンが唯一書き残した実験小説。
大好評「I am I am I am」シリーズ第五弾。解説:ゼイディー・スミス
二人の少女はこの世の誰も知らないことを知ってた――質問をしないこと。信じなきゃいけないことは信じること。
ずけずけと訊かずに広い心で接するのは、気遣いでもあった。
あなたのお母さんも病気? ううん、一晩中踊ってるの。
ふうん――そして、わかった、といううなずき。(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジロ
3
141/1000 施設で一緒になった白人と黒人の2人の少女、トワイラとロバータ。彼女たちの人種は最後まで記されず、読者に託されるカタチになっている。2人の少女の生い立ち、その後の暮らしぶりを読んで自分の偏見が明らかになる感じ。ゼイディー・スミスの解説がないと全然分からなかった。文化やその土地の背景なども組み込まれてるので、全く知識のない自分には気づけなかったし、今も、結局どっち?ってなってる。少女の成長物語として読むだけでも胸に刺さる物語であることは間違いない。2026/02/14
トト
3
聖ボニー(ボナヴェンチュア)という名の施設に入ることになった8歳の女の子2人は見た目から塩と胡椒と呼ばれる。人種の違う2人の友情物語のよう。4ヶ月で施設を出ることになり、数年後に再会するもよそよそしい。そして次に接触するのは2人とも結婚し通学する子供がいるお母さん同士。人種差別をテーマにしているように感じるも、ハッキリせずモヤモヤっとした気分で読み終える。そこは本著の半分を占める解説で、アメリカ的含みについて知らされ、ようやく断片的に理解できる。アメリカの人でさえ考察が必要な作品みたい。1983年発表。2026/01/25
takao
2
ふむ2026/01/29
亜済公
2
とても豊かな小説だった。よかった。2026/01/26
烏骨鶏
0
まだ若い頃、この人やアリスウォーカーとか一連の女性作家の本を読みまくったことがある。これは彼女のたった一つの短編だそうだ。本の半分くらいまでの頁で作品は終わって、解説ががっつりついてたけど、それを読むことで、ああ、なんて丁寧に創られた作品なんだと首肯できた。米国の社会情勢を把握してなくても、彼女達の思いや作品の意図は伝わるけど、背景を知って尚、更に、今ここで生きている人達が開かれていこうとする世界を、心を、私も感じる事ができたのではと思う。2026/03/26
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