ビザンツ文人伝:言葉で戦った男たちの矜持と憂愁

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ビザンツ文人伝:言葉で戦った男たちの矜持と憂愁

  • 著者名:根津由喜夫【著】
  • 価格 ¥7,128(本体¥6,480)
  • 白水社(2025/12発売)
  • ポイント 64pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784560091999

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内容説明

尋常ならざる知性の持ち主たちの奮闘記
演説と文章のプロフェッショナルたちの波瀾の生涯
世俗の支配層が武人とほぼ同義の西欧中世と違い、ビザンツ帝国では文官・文人が存在感を示した。彼らは、美辞麗句ばかりで中味が空っぽとか、言っていることと腹のなかがまるで違う二枚舌だとか、同時代の西欧人から現代の研究者に至るまで、ことあるごとに非難を浴びせられ、「ビザンツ的」と言えば、権謀術数や虚飾や空虚な議論の代名詞のようなイメージが出来上がってしまっている。だが、それはプロの修辞家として、依頼された仕事を誠実に果たした結果であり、個人としての著作や生き方には、また別の顔があった。
本書は、八世紀のコンスタンティノープル総主教ゲルマノス一世から帝国滅亡の十五世紀のプレトンまで十四人を取り上げ、マケドニア朝期の反骨の聖職者アレタス、たび重なる政変を泳ぎ切りつつ膨大な著作をあらわしたプセルロスら、毀誉褒貶入り乱れた異才たちの人生を活写する。そして、固定観念から少し離れて、偏見なしに実際のビザンツ知識人の姿に触れ、言葉の力を武器に戦い抜いた生身の彼らの、暮らしと思想をできるだけ彼らが生きた時代のなかで浮き彫りにすることをめざしている。

【目次】
地図
 
 1 コンスタンティノープル/2 十一世紀半ばのビザンツ帝国
 
はじめに
 
1 先駆的な総主教たち
 一 ゲルマノス一世――イコノクラスムに抗した聖人総主教
 二 ヨハネス七世グラマティコス――総主教は妖術使い
 三 フォティオス―― 「マケドニア朝ルネサンス」の開幕
2 マケドニア朝ルネサンス期の首都の文人
 一 カイサレイア府主教アレタス――愛書家教会人の武闘派人生
 二 「逸名の教授」――市井の文人の不穏な日常
3 「ビザンツの平和」の光と影
 一 ヨハネス・ゲオメトレス―― 「再征服」時代の桂冠詩人
 二 クリストフォロス・ミュティレナイオス――都会の片隅から見える風景
4 ミカエル・プセルロス――「哲学者の統領」の華麗なる宮廷遊泳術
5 行けば容易に戻れぬテサロニケ
 一 テオドロス・スミュルナイオス――冥界のグルメ弁護人
 二 テサロニケ府主教エウスタティオス――片意地な学者主教は愛されない
6 ニケタス・コニアテス――帝国衰亡の目撃証人
7 ニケフォロス・ブレミュデス――ニカイア帝国の知恵袋
8 テオドロス・メトキテス――哲人宰相の宿す闇
9 ゲオルギオス・ゲミストス・プレトン――千年帝国最後の奇才
別表 ゲミストス・プレトン『法律総論』目次
地図
 
 3 十二世紀半ばのコムネノス朝期ビザンツ帝国/4 テサロニケ市街/5 第三回十字軍、フリードリヒ一世の行軍ルート/6 十三世紀のニカイア帝国周辺部/7 十四世紀半ばのパライオロゴス朝期ビザンツ帝国と周辺
あとがき
図版一覧
文献目録

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

17
ビザンツ帝国に生きた文人たちの列伝。プロコピオスやアンナ・コムネナといった有名人が取り上げられておらず、「誰だコイツら」という状態で読み始めたのだが、これが意外と面白い。宮廷での出世を望む者、帝国の衰退を嘆く者、ただただ自分の信じた道を突き進む者など、癖のある人物が多くて知識人とはいつの時代も変人が多いのだなと。また古代ギリシャ以来の伝統が、しっかりと息づいているのも印象的。西のように教会が知識を独占したのとは異なり、修辞を学べば俗人も文人として活躍できる多様な知の在り方がビザンツにはあった。2025/12/19

kaeremakure

2
ニケフォロス·ブレミュデスの生涯が面白すぎる。常にまったく空気を読まずに発言し、聖職者として正しいと思った事だけをするので次々と敵を作りトラブルに巻き込まれる男。突然発狂した従者に刺されそうになったり、後のミカエルⅧ世を含む一団に暗殺されかけたりしても、聖人伝なら奇跡として書かれるレベルの僥倖で切り抜ける(でも誰も死後に聖人伝を書いてくれなさそうなので自分で書く!)。一時同性愛の容疑で告発されそうになるが、疑惑の相手は学生時代に不倫関係にあった人妻の夫かもしれない···って何なの?!とかも含めて必読です。2025/11/27

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