内容説明
六十年に一度巡ってくる丙午。この年に生まれた女性は「男を食い殺す」と忌み嫌われ、大きな苦しみを味わってきた。自らも丙午生まれの著者が、六十年ずつ時代を遡り、史料・新聞・雑誌・小説・芝居等に残る驚きの丙午エピソードを発掘。この迷信が生き永らえてきた社会的背景を解き明かすと共に、次代の糧ともなる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あやの
44
今年って丙午なんだ!と最近知ったくらい、十干十二支は意識されなくなっている。60年毎の丙午が社会でどう捉えられていったかを遡って見ていく構成がお見事だと思った。男尊女卑が通奏低音のように流れ続ける日本社会では、丙午が来る度に「女は目立ってはならない」という意識が改めて認識されるということだ。今、大して騒がれなくなったのは昭和の丙午から社会が大きく変わったということ。気の強い女性、良いじゃないか!昭和の丙午生まれの方々も、特段嫌な思いをすることなく還暦を迎える。令和の丙午が最後の対談のようになると良いな。2026/03/07
shikashika555
38
1966年の丙午の年に生まれた子供の数は前年と比べて25%も減少していた。1950年代後半から2.0前後で推移していた合計特殊出生率は、1.58まで下落(翌年には戻る)。 そんな丙午に関する諸々を楽しくまとめている本。 そもそもの迷信の起こりや女性たちが受けてきた苦難や偏見、明治や江戸時代の丙午生まれはどうしてきたのか、出生数はどうだったのか。 私も丙午生まれであり、このワケノワカラン迷信に悩まされ調べたこともあった。 概ね自学内容を確認するような内容でありました。 悪しき迷信は消えていくでしょう。2026/02/17
tomi
33
私の生まれ年の2年前が昭和の丙午(ひのえうま)で生徒数も少なかった。統計でも一年だけ出生数が極端に落ちた原因が「丙午」。丙午の女は男を食い殺すという、荒唐無稽に思える俗信だった。この年に生まれた酒井さんが三百年前までの丙午を遡り、如何にして根付いたか考察する。実際、明治の丙午の女性は縁談が破談になる事が少なくなく、奉公先や婚家で虐められたり、命を絶った人も少なからずいたという。そして幕末・弘化の丙午では人口減少率が女性が男性の二倍近い。つまり間引きが行われていた。 今年も丙午。さすがにもう消えたでしょう。2026/02/23
takaC
25
自分は酒井さんの2年年下で丙午(66年)生まれの知り合い女性は結構多いのです。血族の従妹より姻族の義姉(妻の姉)の方が親等は近いのかな。十干は文字(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)と読み(木火土金水)を別々に覚えるのが手間で、干支の音読みを覚えるのがさらに面倒くさいのだけど、一度覚えてしまうと忘れないものなのよね。便利だし。2026/02/10
おかむら
25
酒井さんの新刊は、丙午生まれの女性は男を食い殺すという俗信を調べます。今年は60年に1度の丙午。前回の丙午生まれである酒井さん。干支の午(ウマ)の方は知ってるが丙(ヒノエ)ってなに?というところから説明してくれます。1966年の出生率は俗信の影響で前後の年より25%も低いそう。そういや友だちの妹は受験がラクだと言ってたような。明治や江戸期の丙午受難の歴史を紐解きながら、昭和から令和へと丙午伝説消滅までをレクチャー。気が強い女が疎まれた時代から当たり前に女の方が気が強いと言われるまでの300年史。2026/02/11
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