内容説明
中日新聞、東京新聞など連載で感動を呼んだ話題作!
痛みよ、希望よ、届け
「能登は遅れている」――いわれなき非難に押し込められる小さな声。
「比べたら、あかん」教師・小野寺は、被災地の小学校で子どもたちやその親たちが抱える、苦悩と希望に向き合い続ける。
2024年1月1日16時10分――。巨大地震が能登半島を襲った。
その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。
阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。
つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。
小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
177
2026年の読み初めは、一昨年2024年元旦の能登半島地震をテーマにした真山 仁の復興小説です。真山 仁は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。感動作ではありますが、ノンフィクションの如く、敢えて感情を抑えた作品でした。能登半島の復興は道半ば、金沢にほとんど被害がなかったことも影響していると思います。私の故郷、新潟市西区も、かなり被害がありましたが、ほとんど報道されていません。 https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=97843966369062026/01/01
いつでも母さん
124
結論は無い。あるのは多分現実だけなのだ。目の前にあるのは、いつかの既視感だけなのか?比べるな。慣れるな。流されるな。圧倒的な現実の前に、これは他人事じゃないのだと戒める。だが、テレビや新聞の報道から見えることには制約や限度があるのだろう。被災地によって抱えていた根本の問題もあるのだろう。7つの章立てのどれもが苦しい。中でも『おそすぎ』1番ガツンと来た。沢山の麗ちゃんがいるだろう。今の能登が気になるところだ。2026/01/09
PEN-F
40
能登半島地震からの復興のお話。ホント地震って怖いし急に来るし防ぎようがない。前もって地震に備えておくって言っても、いつ来るか分からない相手には限界もある。今日も中国地方でかなりの揺れだったみたいだし、南海トラフ、首都直下型地震と、いつなのかは分からないが来るのはほぼ確定っていう状況で、しかもおそらく忘れた頃に不意をついてやってくるんだろうし。まあとにかく最優先なのは命を守ることに尽きるのでしょうね。2026/01/06
99trough99
31
真山さんご自身が「震災3部作は全然売れなかったけど、描かなきゃいけないって思うんです」との姿勢で今度は能登半島地震の被災地に架空の温泉街「えびす温泉郷」の小学校を舞台に物語を展開する。架空ではあるが、被災県内での地元の複雑な心境、被災地外の様々な思惑に振り回される地元民の復興へのプロセス、復興半ばの豪雨災害と、奥能登支援に携わった一人として、深く感じ入りながら読み進めることができた。 被災地支援のテーマは、真山さんの大切な柱のひとつと思います。2025/12/28
ゆっき
21
2024年1月1日16時10分。お正月の能登半島を襲った巨大地震。あれからもう2年。被災地の小学校で子どもたちと向き合うことを決めた「まいど先生」こと小野寺徹平。元教え子の相原さつきと共に能登での復興を支えることに。震災で辛い経験をした子どもたちが集まった「のとそいる小学校」。校長はもちろん、能登愛にあふれる安岡先生や中村先生が素晴らしい。子どもたちの未来に向かうパワーに勇気をもらいました。最後のあったかい一行がじんわりと心にしみます。初読みの真山仁さんが描く他の作品もいつか読んでみたいと思います。2026/01/06




