内容説明
かつて子役だった沙良は、芸能界で伸び悩み、流されるように結婚をしたものの、どこか満たされない気持ちを抱えていた。自分のことをまったく知らない人間に出会いたい─そんな折に、偶然出会った柏木という男。愛に似て、愛とは呼べない関係を描き出す、直木賞作家の野心作。文庫化に際して、書き下ろし短編を新たに収録。《解説・松居大悟》
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
月
7
島本理生を読んでると「正しくなくていい」「自分の感情を否定しなくていい」と思えて泣きそうになる。沙良の親族への悩みに対して周りが和解しろと言うことや、遅れた反抗期のように捉えられるというのはめちゃくちゃ共感した。沙良にとって柏木さんは救いでもあり、脱却へのきっかけにもなった人。文庫書き下ろしのおかげでよりクリアになった読後感だった。そういう意味では『夏の裁断』に似ている。2026/01/13
椎名
7
「捨てられないのは、そこに互いの失われたものを見るからだ」「彼が分かっている、ということは私は分かっている、ということを彼が分かっていること。望んだものは、それだけだった」本当に、そうです。それが嵌まると唯一になってしまうし、求めるのものはそれだけだけれど、そのそれだけがきっと最も難しい。特に語り部は役者という常に見る/見られるが存在する生活で、だからこそ一人でいるような心地にさせられる柏木にこそ「見つけてくれた」ような感覚に陥ったのだろうと思う。最善と正解をとっても後悔してもいいというのは赦しだ。2025/12/17
おうさま
6
大人の恋愛小説ではあるがのだろうが、あまりのめり込める 話ではなかった。 女性読者なら共感できるところがあるのだろうか? 期待値が高かったので、ちょっと残念2026/01/04
Sayuri Shimoyama
5
★★★☆☆ 島本理生さんの描く人物は、いつもどこか不安定で、痛みを抱えていて、そのどこに触発されてしまうのかも分からぬままに、いつしかその誰かに気持ちを寄せて涙してしまう。2026/01/18
anri0912
4
この人の書く恋愛小説が好きだったなとふと思い出し手に取る。 自分の事を分かってくれている人がいる、 そういう関係は時に人を強くする。 終わりがうっすらと見えているからより強くなるのかな。 夫婦の中でそれが出来れば良いのだろうけど、生活を共に回す間柄だとそれが難しい事もあるんだろうな。2025/12/06
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