内容説明
手筋が見えまして
ございます――。
前田利家が秀吉に仕掛ける「謎かけ遊び」は
織田家の命運を賭けた戦だった!
『二月二十六日のサクリファイス』で中山義秀文学賞を受賞、
今最も目が離せない気鋭が放つ歴史×ミステリの快作!
前田利家×三法師こと織田信長の孫・織田秀信
北野大茶湯で――利家は秀吉秘蔵の茶器をいかにすり替えたのか?
賤ヶ岳の戦いで――利家はいつから秀吉に従ったのか?
聚楽第で――秀吉に矢を射かけたのは利家なのか?
慶長大地震で――利家はいかに明国の使者を地震から守ったのか?
答えられなければ、御家断絶!
目 次
序
一話 前田殿と北野大茶湯と
二話 前田殿と賤ヶ岳の戦いと
三話 前田殿と聚楽第と
四話 前田殿と慶長大地震と
五話 前田殿と天下と
終
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
133
様々な機会に秀吉と前田利家が繰り広げる謎かけ遊びの含意を、旧主信長の孫である織田秀信が解明していく。たわいない話の背後には豊臣政権の成立や内部抗争に関わる秘密があり、秀長や三成、信雄に家康らと利家による権力闘争にも繋がっていた。秀信家臣の森左門は若き主君のため奔走しながら、政争に巻き込まれるのを巧みに避ける手腕に心服していく。本来なら天下を継承するはずが小大名に甘んじざるを得ない秀信は、その才を示す場は他になかった。独裁者秀吉に服従しながら、戦国を生き抜いた武将たちの意地が秘密裏にぶつかるドラマが面白い。2026/01/06
hirokun
44
★3 織田秀信については、関ケ原の合戦の前哨戦で岐阜城に籠城したことくらいしか知識がなかったが、この作品を読む中で些か知識が拡がった。前田利家は歴史上も秀吉の友人であり、豊臣家への忠誠を最後まで守り抜いた人として描かれることが多いが、フィクションとは言うもののこの作品のような心の内があったとしても決して不思議ではないとの感じがした。最後まで分かり易い文章と物語の展開に惹かれ一気読みした。2026/02/03
あまね
24
分野としては歴史ミステリーですが、『律儀者』のイメージがある前田利家が一癖も二癖もある人物に描かれているところが面白かったです。また、清洲会議で秀吉の駒となった織田信長の嫡孫・三法師、長じて織田三郎秀信の描き方もなかなかのもの。三郎の難しい立場、そして立ち回り方や振る舞いの描写は、考えさせられるものがありました。架空の物語ではあるでしょうが、読み進めていくとどんどん面白くなりました。2026/04/07
二分五厘
22
「前田加賀(利家)からの謎かけを解いてほしい」天下人・豊臣秀吉から織田三郎家中への頼み事。それは秀吉と利家の謎かけ遊び、この座興の答えを出すこと。利家は秀吉秘蔵の天下の茶器″手枕″をいつすり替えたのか。利家が秀吉に心から臣従した日はいつか。利家はなぜ聚楽第に矢を放ったと言ったのか。利家は大地震の時どのように沈惟敬を助けたのか。秀吉死後の利家の不可解な行動は何故か。毎回出題される織田家の進退さえかけられかねない難題。難題を躱し続けていく左門の望む織田家と主君の像。織田家にはもっと生き汚くあって欲しかったな。2026/03/01
harumi
21
面白かったです。森左門以外の登場人物は皆実在の人物で、歴史的背景や史実も歪めることなく取り入れた中でこれだけのフィクションが出来上がるのがすごいと思いました。織田信長の嫡孫である織田三郎や前田利家、秀吉に秀長、加藤清正、徳川家康、石田三成など、おおよその人物像を知っていればいかにも実際にそのような言動をしそうに思えるほど。大河ドラマと重なる所もあり楽しめました。他の作品も読んでみたい。 2026/04/14
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