内容説明
春画は「芸術」だけで語れるのだろうか。描かれた絵に読者の欲望を見出した著者は当時の性文化と価値観を探求し始める。恋愛禁止の大奥で繰り広げられたタブー、未亡人が迫られた究極の選択、看護婦と軍人の秘密の情事。そこに映し出されたのは江戸時代を生きた人々の人間臭い証と物語だった。70点を超える秘蔵の春画を読み解いた究極の一冊。『春画の穴 あなたの知らない「奥の奥」』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
60
書名に惹かれて思わず手にしたが、内容は予想した以上に過激で、江戸の性風俗事情が広範囲にわたって、多くのカラー図版とともに解説されている。新潮社刊。数年前に刊行された同内容の本の文庫化だという。図版の多くは初見で、著者の私物を含めて資料の探索には相当な根気と時間がかかったことだろう。あるところにはあるものだなあ、というのが率直な感想。一番の収穫は、著者が女性であるということ。女の目から見た性風俗の記述は希少であり、江戸時代の「性」に関わる種々の俗説についても実証的に考察するなど、今後の動向が楽しみでもある。2026/01/05
ハッピーえんど
5
たまにはこういう作品もいいかも。 これだけの情報を収集した作者の熱意には関心しました。 いつの時代も欲望は変わらないものだと思いました。2026/03/10
メイロング
4
春画研究本が初心者にも読みやすい文体で、カラー図版が豊富で、新潮文庫から出てるのはすごい。杉浦日向子から時代が完全に移ったといえる。現在の多岐にわたりすぎているエロスの根源には春画がある。読者の受けと作者の性癖の激しいラリーが、江戸から明治にかけての社会変化をも乗り越えて高速で進化していったのが見て取れる。たいていのシチュはご先祖がすでにやっている。創作者には希望か絶望か。ドラゴンカーセックスも探せばたぶんありますよ。2026/02/21
totuboy
4
まず驚きなのが、これだけの学術的な研究を春画好きの女性が独自に進めているということ。論文として発表すればよいのに、と思うような考察の深さ。なぜ下ネタが「笑い」となるのか、エロ、グロはやはり人間の本質的な欲求の一つなのだ。300年前の人間も今の人間も実は変わっていない。一方で社会的な規範が変わっていく中で、変えていかねばならない考え方もあるのだろう。2026/02/23
辻本 敏久
2
明るく、楽しく、面白く。2026/03/21




