内容説明
女たち、記憶の湖へ還る。
佳代、千代、三代の三姉妹は、瑞ノ瀬村に暮らしていた。大切な人が戦地から帰ってくる日も、結婚式を挙げた日も、家で子を産んだ日も、豊かな自然を讃えた山々の景色が、佳代たちを包み込み、見守ってくれていた。しかし、村にダム建設計画の話が浮上する。佳代たちの愛する村が、湖の底に沈んでしまうという。佳代は夫の孝光とともに反対運動に身を投じるのだが──。
定年退職まで営業部で忙しく働く佳代の娘・雅枝。海外留学先で「適応障害」になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫・都。彼女たちの瑞ノ瀬への想いはまったく異なっていた。
いま最注目のミステリ作家・辻堂ゆめが、壮大なスケールで描く懐かしい日本の「故郷」。変わりゆく時代を生きる三世代の女性をつないだ感動作を、満を持して文庫化!
※この作品は過去に単行本として配信されていた『山ぎは少し明かりて』 の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
24
佳代たち姉妹を見守ってきた瑞ノ瀬村に持ち上がったダム建設計画。佳代・雅枝・都と三世代の湖の底に沈んだ瑞ノ瀬へのそれぞれの想いを描いた物語。海外留学先のイタリアで適応障害になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫の都。定年退職まで営業部で忙しく働いた佳代の娘・雅枝、そして夫の孝光とともに懸命に反対運動に励む佳代。時代を遡っていく形で描かれる三代の物語は、そもそも前提が違うために思い入れも異なっていて、最初はあまり見えてこなかったその意図が、読み進めるうちに浮かび上がってくるその構成には唸らされました。2025/12/06
nami1022
10
再読。水野良樹さんの解説を読んで、瑞ノ瀬には宮ヶ瀬ダムというモデルがあることを知る。計画から竣工まで、そして2019年の東日本台風までかなり忠実になぞられているようですね。モデルとなったような人や説話があるのかもしれませんね。佳代の故郷への想い、孝光への想いが苦しくて遣り切れないのとは対象的に、プロローグとエピローグの都が明るく幸せそうなのが印象的でした。2025/12/29
DI
7
筆者の辻堂ゆめさんは昨年『トリカゴ』や『本日未明』を読んで、ミステリーでありながらもその根底にある人としての本質に強い感銘を受けたけど、今回の作品は戦前、戦中、戦後から現代までのある一家の三世代の女性たちの物語でした。生まれ故郷をダム建設によって奪われた祖母とその娘との関係から、娘と孫との上手くいかない日々をからスタートして時代を遡っていく。それぞれの時代における生き方に読んでいて喜んだり悲しんだりしました。ますます辻堂ゆめさんの他の作品に興味が湧きました。2026/01/31
*takahiro✩
6
第1章の都さんの話はいらないと思います。この部分だけがマンガ的に軽くてとても違和感がありました。おかげでもう少しで読むのをやめるところでした。その後の2章、3章がまだ読めたので尚更です。途中かなり間延びしたり、ここまでのサバイバルおばぁちゃんはなかなかいないと思いますが、大切なものを理不尽に奪われる悔しさは分かります。それが国家権力によるものであれば余計惨めに思えるという点は共感しました。この著者は2作目ですがもうないかな。2026/03/20
ブランノワール
5
とてもよかったです2025/12/07
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