内容説明
「ミステリが読みたい!」第1位に選ばれた『ありふれた祈り』著者の傑作ミステリ
50年代、アメリカの田舎町。地主の死体が川中で発見され、第二次大戦帰還兵の保安官ブロディの捜査で、日本人の妻を持つノアが容疑者として浮かぶ。弁護士チャーリーは住人たちの過去を調べるが……。エドガー賞ほか四冠に輝いた『ありふれた祈り』著者の新作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
59
1958年アメリカの田舎町で発見された銃殺死体。 元使用人であり先住民の地を引くノアが容疑者候補に。 血の違いによって住民からは憎悪の対象になってしまい、妻で日系のキョウコにも忍び寄る手が。 弁護士のチャーリーは裁判を見据え聞き込みを始める。 多くの人物たちが過去の戦争の傷痕に苦しんでいる。 その傷痕が犯罪へと走らせていくのが苦しい胸の内を垣間見せる。犯人だけでなく他の人物たちも行動して、ラストの複数が絡むやり取り。タイトルにも掛かる川や山といった自然描写が美しく、それとは対照的に傷ついた人間の話だった。2026/01/12
ぽてち
37
1958年、ミネソタ州ブラックアース郡を流れるアラバスター川で地主の遺体が発見された。保安官のブロディは事故か自殺を想定するが、殺人の噂が町を席巻する。そして、元使用人のノアが容疑者として逮捕されるが……。第一次及び第二次大戦の帰還兵が心に抱えた傷、先住民や異国人への偏見や差別、家族の問題など様々なサブストーリーが本篇以上に丹念に描かれていく。二部構成でポケミス二段組、本文486ページの大作だ。『ありふれた祈り』の姉妹篇だが、ストーリーに繋がりはないので未読でも大丈夫。重厚なミステリであり、再生の物語だ。2026/02/23
maja
32
アメリカ、ミネソタ州。戦没将兵追悼日で退役軍人らで賑わう田舎町の午後、保安官事務所に事件の知らせが入る。川で発見された死体は、誰もがその強欲さを嫌う地主であった。容疑者は先住民族の血を引く男とされていく。郡を斜めに横切る川のある、かつてダコタ・スー族と大きな紛争があった地。今では地平線まで続く農業地帯となったその地で、1958年の現在を生きる、それぞれに、深く傷ついたものを抱えているかれらの見上げる空が印象に残る。群像劇が静かに紡がれていく。2026/02/27
M H
30
アメリカの田舎町の川で誰からも嫌われる地主の遺体が発見される。保安官のブロディや弁護士のチャーリーを軸に据えつつも、嫌疑がかかる先住民ノア、妻の日本人キョウコなど強烈な印象を残す人物たちが物語を駆動する。人種差別や戦争による傷が影を落とし、痛々しいまでに描かれる群像劇の性格が強い。とにかく素晴らしいのは、主要人物がそれぞれの規範、正義をもって生きようとする姿。どれほど傷ついても損なわれないものが確かにある。アメリカの一断面を見せてもらった気持ちになれる快作。2026/03/19
星落秋風五丈原
26
日本人が登場するが原爆の被爆者でありアメリカに行ってもまた差別を受ける。2026/01/28




