内容説明
日本SF大賞ノミネートの奇想小説集
真実の愛を証明できる物体『回樹』をめぐるありふれた愛の顛末ほか、誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
23
真実の愛を証明できる「回樹」を巡るありふれた愛の顛末。表題作ほか環境が激変する中で、誰でも少しは思い当たる感情への想いを描いたSF短編集。「骨刻」がもたらした特別な想い。傑作が生まれなくなった映画を巡る魂と消されてゆく名作たち。人間の死体が腐らない世界で、妻の死体の行方を探る男。奴隷制度下のニューヨークの白人と黒人と宇宙人の融和。回樹に愛を託した人々が催す年に一度の回祭。極端に変化した環境で人はどう考え行動するのか、多く人が仕方ないと受け止める中でも抗い不器用な愛に生きる人たちの姿がとても印象的でしたね。2025/12/03
とうき
2
表題作は別の短編集でも読んだことがあってすごい発想だなと思っていたのだが、他の作品もどれも大胆な設定を導入しており驚きがあって良かった。 帯コメントにもあるように設定には驚きがあるのに、その設定を活かして描かれるのは自分の物語として受け取れるような普遍的な内容なのがすごい。2026/01/10
🛠️
2
素直に全編面白かったと思う。一番好きなのは最後の回祭で、やはりこの作者は執着を書くのが上手いなと感じた。2026/01/07
えと
2
あぁもう本当に好き… なんて言ったらいいのか分からないくらい好き 色んな世界線の色んな人達の『死』にまつわる短編たち。 『死』ってなんだろう。『愛』ってなんだろう。 死と愛はなんだか深い結び付きを感じる気がする… 自分が死ぬ時に一緒に持って行きたい小説2025/12/29
バーニング
2
表題作の「回樹」と、その続編となる「回祭」が完成度ではやや抜けている。他の短編の完成度はまばらだが、境界を越えることは可能かというテーマは共通しているように思えた。「骨刻」や「不滅」は生と死の境界の話だし、「奈辺」は少し昔のアメリカを舞台にした人種の境界の話だ。そして「回樹」は同性婚がまだできないとされる日本を舞台にした、同性で生きていくことの可能性を問うた1本である。しかし惜しむらくは本の中で短編の初出が明らかにされていないことで、ここは早川書房の不備だと思う。ちゃんとやってほしい。2025/12/22
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