呪いのウサギ

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呪いのウサギ

  • ISBN:9784801947412

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内容説明

美しい破滅に導いてくれるもの

呪いのウサギはかじってくれる。
排泄物は話しかけてくれる。
キツネは黄金の血を流してくれる。

ライバル会社の策略によって自殺に追い込まれた親友。呪物を作る一族の男が復讐のために作ったウサギは、ライバル会社のすべてをかじり尽くしていく。
哀しき復讐譚の表題作をはじめ、排泄物が意志を持ち話しかけてくる「頭」、避妊薬を飲み続けた副作用で妊娠した女性が父親候補を探す「月のもの」、パートナー・ロボットとの奇妙な関係性を描く「さようなら、【愛/いと】しい人」、黄金の血を流すキツネによって大儲けした男の生涯「【罠/わな】」、ビルを購入した若い夫婦が次々とトラブルに襲われる「楽しい我が家」など。
孤独に寄りそってくれる“恐怖”と、その先に待つ美しく甘美な破滅を描いた、韓国の奇才による異色短篇集。国際ブッカー賞最終候補作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

38
SFやホラー、不条理劇から寓話的ファンタジーまで、多彩な短篇集である。全作品に共通するのは読後の何とも言えない鈍色の感情。それぞれが「怖い」「切ない」「寂しい」「虚しい」といった後味があるなかで、その全てに混じっている独特の風味があり、露骨な”毒素”ではないからこそ単なるホラ話で終わらない重みがある。一見するとありがちな短篇集に思えるところ、国際的にも高く評価された理由もよく分かる短篇集だ。収録作では「月のもの」と「風と砂の支配者」がとても好き。2025/12/02

Nishiumi

17
現代を舞台にした、ダークな童話集。復讐譚が多いが、復讐を果たしても心がスッキリすることはなく、寂寥感だけが胸に残る。「本来、世界は寂しさに満ちていて、すべての存在は孤独」という筆者の世界観が根底にあるのだろう。「月のもの」「楽しい我が家」「再会」が特に好き。人は生きるか死ぬかのトラウマを体験すると、そのストレスから解放されてもなお、当時唯一意味のあった行動を繰り返してしまう、という話が痛々しく、戦争体験の残酷さを別の形で知った。2026/01/16

lisa

14
装丁の素晴らしさとタイトル、韓国人作家の異色短編集というだけで絶対面白い、と購入した作品集。結果、思った通りの面白さで一編終わる度に溜息が溢れた。人間や生き物の醜さや物悲しさ、生と死を表す作品が多く、残酷な描写もある中で言葉の美しさが際立っておりぐいぐいと最後まで読まされた。ホラー、SF、ファンタジー、様々な綺譚集で胸が悪くなる作品もあったけれど最後まで満足して読了。冷たい指、月のもの、が好き。2025/12/21

MiGato

4
人はみな孤独だ、それを書きたくて、という著者の意図がじわりと心に沁みる。とりわけ最後の「再会」は悲しかった。本当に気味の悪い、陰惨な物語もいくつかあるが、全体に寓話性・神話性が強いホラー。良作。2025/12/30

jam

4
残酷だったり辛い描写も多いので、読み飛ばしたくなるところもあったけど、どこか甘美で幻想的、そして強烈な批判精神が読むのをやめさせない。行き先がわからない物語で引きつけられた。表題作とこの中にあると普通のホラーに読める「楽しい我が家」、切ない「再会」が特に好きだった。2025/12/23

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