内容説明
日本一に輝いた1978年スワローズの真実
弱小球団スワローズを日本一へと導いた広岡達朗。徹底的に「正しさ」を貫いた名将の栄光と落日をめぐる証言ノンフィクション!
広岡達朗は老害ではない
93歳の”炎上老人”は、本物の名将だった――。
1978年、ヤクルトスワローズが叶えた「奇跡の日本一」
”冷酷な監督”は優勝未経験の弱小球団をどう変えたのか
一瞬の栄光と崩壊、そして広岡の今に迫る渾身の一冊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
14
1978年、弱小球団だったヤクルトスワローズを初優勝・初日本一に導いた広岡達朗の昔と今に迫ったノンフィクション。長女祥子が語る家庭での父広岡達朗が印象的だった。「がんばれ!!タブチくん!!」についてや、偏食家である一面、家族には玄米食を強要しなかったことなどのエピソードは微笑ましい。松岡弘、若松勉、水谷新太郎、伊勢孝夫といった選手たちが語るエピソードから広岡のブレない姿勢と不器用さが垣間見えたのは興味深い。広岡が必ず言う「人生は勉強だよ。一生かけて勉強しなさい」という言葉は彼の根源なのだと改めて思った。2025/12/14
ちび太
7
最高の一冊。愛に溢れた丁寧な取材は、取材自体が一つの物語となっている。広岡氏は、ヤクルトスワローズ初の優勝、日本一を成し遂げながら、翌年にはチームを去った。その後西武ライオンズの黄金期を築いたが、円満なチームの離れ方はしていない。その当時を振り返り何が自分に足りなかったか内省している。「人生は勉強」という言葉を体現しており、心を打たれた。2025/12/26
電羊齋
6
1978年のヤクルト日本一と広岡達朗監督、そして現在の広岡について綴る。正しいことを正しく行えば結果が出るという信念を曲げず、基本とプロフェッショナリズムにこだわる野球人としての広岡像が如実に描かれる。それは時に頑固で冷酷に映り、最近ではそれが誇張されて「老害」などとして炎上する。しかし著者は広岡達朗という対象に粘り強く向き合うことにより、広岡という人物の多彩な面も引き出している。娘さんが語る父としての広岡像も面白い。そして過去を振り返り、時に反省する広岡はまさに「人生はいくつになっても勉強だよ」である。2025/12/30
MAKOTO
6
広岡さんのことは「現代にアップデートできてない老害」みたいなテンプレな印象しかなかった。本書で出てくるヤクルト日本一なんてまだ赤ん坊くらいの頃だし。読後の今、筆者の思惑通り(笑)印象は完全に覆った。その時々で結果は良かったり悪かったりするけど、いつでもその信念がブレることなく、正しいと信じることを推し進める姿はやはりカッコいい。自分の大好きなタイプ。少々センチメンタルに過ぎるきらいもあるけど、筆者は根気良く寄り添う中で感じた広岡さんの魅力をなんとしても伝えたかったんだろうな、と感じる。2025/12/09
はなび
5
この人の書く本は全部面白いし、個人的に広岡関係の本は好きで集めているので、自分的にはとても嬉しい本となった。現在の姿にかなりびっくりしたところもあったがとても面白かった。広岡氏の週刊ベースボールの隔週連載が好きな身からすると想像のつかない事だった。2025/12/11




