吸血昆虫ブユの不思議な世界――謎めいた新種の発見と新興寄生虫感染症の解明

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吸血昆虫ブユの不思議な世界――謎めいた新種の発見と新興寄生虫感染症の解明

  • 著者名:高岡宏行【著】
  • 価格 ¥2,376(本体¥2,160)
  • 明石書店(2025/11/29 配信開始予定)
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  • ISBN:9784750350639

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内容説明

失明の危険をともなうオンコセルカ症を媒介するブユとはどんな生き物か。熱帯アジアを中心に地球上で誰にも知られずひっそりと生き延びてきた小さな生命体・ブユの戸籍をつくる。

発見・登録されても世間から注目されることはない昆虫を追い続けた研究の集大成。

目次

口絵
はじめに
第一章 研究のあらまし
1 ライフワークとしてのブユ研究
2 三つの研究課題と成果
第二章 ブユに出会うまで
1 生い立ち
2 鹿児島大学医学部へ就職
3 医動物学とは
4 二人の大先達(その1)
5 二人の大先達(その2)
第三章 初めての新種ブユの発見と記載――南西諸島と九州の調査から
1 ブユ幼虫と蛹の採集
2 トカラ列島の新種ブユ
3 与那国島の新種ブユ
4 新種かどうかの見極め
5 新種を記載する
6 南西諸島のブユ
7 バトエナンヨウブユは誤同定だった
8 ヒロシマツノマユブユは未吸血でも卵を発育できる
9 オオブユ属2種の変わった産卵方法
10 ウマブユ亜属の種名の変遷
11 タカハシウマブユの狭所交尾性
第四章 ヨナクニウォレスブユの仲間を求めて――フィリピンと台湾の調査から
1 フィリピン群島の調査行
ルソン島/ミンドロ島/ビサヤ諸島/パナイ島/ネグロス島/ボホール島/レイテ島/ミンダナオ島/パラワン島/フィリピンのブユのまとめ
2 台湾の調査行
第五章 媒介ブユ対策を通じたオンコセルカ症制圧の試み――中米グアテマラの流行地へ
1 グアテマラのオンコセルカ症研究の歴史
2 グアテマラ事情
3 オンコセルカ症対策研究プロジェクト
4 オンコセルカ症の標高分布
5 ブユ幼虫の寄生虫
第六章 オンコセルカ媒介ブユ種の調査――南米の流行地へ
1 ベネズエラ南部アマゾナスの調査行
右眼の異変/オリノコ川上流域のヤノマミ族/感染実験/スナノミとオンコセルカ感染
2 ベネズエラ北部の調査行
3 エクアドルの調査行
第七章 人獣共通オンコセルカ症の研究――一枚の病理標本から新興感染症の解明へ
1 世界で第5例目の臨床症例
2 オンコセルカ属の生活史
3 日本のブユから初めてのオンコセルカ幼虫見つかる
4 牛のオンコセルカ種と媒介ブユ種
5 起因種はイノシシ寄生性のオンコセルカ新種だった
6 野生動物のオンコセルカ種
7 媒介ブユ種と媒介可能ブユ種
8 発生を予測する
9 Serendipity偶然がもたらす幸運な発見
第八章 熱帯アジアのブユを探る
1 インドネシアの調査行
スラウェシ島北部/ジャワ島/再びスラウェシ島/スマトラ島/マルク諸島(ハルマヘラ島、アンボン島、セラム島)/イリアンジャヤ/小スンダ列島
2 マレーシアのブユ
半島部/サバとサラワク
3 タイのブユ
4 ベトナムのブユ
第九章 南太平洋のブユを探る
1 ソロモン群島のブユ
2 ブーゲンビル島のブユ
第十章 ブユの戸籍をつくる
後記
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

33
オンコセルカ症(河川盲目症)をもたらす糸状虫を媒介するブユ。蚊との違いは、ブユがギザギザした口で噛むのに対して向こうはストロー状の口でチューチューする。今後も防除の研究が進むことを祈ります。2021/06/20

山口透析鉄

21
これも市の図書館本です。著者の名前が新聞記事に出ていたので、本を読んでみました。 昆虫でもブユを専門とする研究職ですので、グアテマラ・ベネズエラ・エクアドルや東南アジア諸国(フィリピン・インドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム)での新種の探索等が詳しく書かれています。半世紀かけての研究にも頭が下がります。 オンコセルカ症という厄介な感染症に関する研究も興味深いものがありました。他は大丈夫でも著者だけ感染したらしく、帰国してから猛烈なかゆみに襲われたそうです。イベルメクチンをば独から入手したそうです。↓↓↓2024/10/25

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