内容説明
打越正行『ヤンキーと地元』とともに沖縄の語り方を変えた、比類ない調査の記録。
累計3万部超の傑作に、13000字の文庫書きおろし「十年後」をくわえた決定版。
それは、「かわいそう」でも、「たくましい」でもない。この本に登場する女性たちは、それぞれの人生のなかの、わずかな、どうしようもない選択肢のなかから、必死で最善を選んでいる。それは私たち他人にとっては、不利な道を自分で選んでいるようにしか見えないかもしれない。上間陽子は診断しない。ただ話を聞く。今度は、私たちが上間陽子の話を聞く番だ。この街の、この国の夜は、こんなに暗い。
――岸政彦(社会学者)
沖縄に戻った著者は、風俗業界で働く女性たちの調査をはじめる。ひとり暴力から逃げて、自分の居場所をつくっていく──彼女たちの語った話は著者の手で書き起こされ、目の前で読み上げられ、自己の物語として了解されていく。沖縄の話であり世界の話でもある、比類ない調査の記録である。
目次
まえがき──沖縄に帰る/キャバ嬢になること/記念写真/カバンにドレスをつめこんで/病院の待合室で/あたらしい柔軟剤 あたらしい家族/さがさないよ さようなら/調査記録/あとがき/十年後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうすけ
13
昨日読み納めの投稿をしたばかりなのですが、帰省の新幹線で時間があったのでもう一冊読み終えました。かなりベビーな作品でして、正直大晦日にはどうかと思いますが、日本の現実の一つとしてしっかりココロに留めておく。ハードカバーで出たときから気になっていて、文庫化されたので手に取りました。気軽に読める内容じゃないけど、多くの人知ってほしいこの現実。ホントにクソ男がやまのように出てきて、頭がくらくらします。2025/12/31
二人娘の父
10
文庫 #裸足で逃げる 読みました。文庫版のみの「十年後」が入っています。上間陽子さんの本に何度泣かされるのか。今度も読後、涙が溢れて止められませんでした。「なぜ泣くのか」が自分でもよく分からない涙。かわいそうとか、憐れみとか、そんなものではありません。文庫版を読んで気づいたこと。打越正行さんの存在の大きさ物理的に精神的に、上間さんの行動を支えていたんですね単行本で「打越さん」になっている箇所が文庫では「打越くん」になってますか?上間さんがこの直しを入れた思いを考えると、なんだかとても胸に迫るものが。2025/12/14
バーニング
4
少し前に読んだ木村映里『医療の外れで』が書こうとしたことと近いものを感じた一冊だった。特に障害児を一人で育てる鈴乃のエピソードや、医師に冷たく扱われる一方で宥和的な看護師と出会うこともできた亜矢のエピソードは、木村映里が同書で繰り返し書いていた医療現場における差別やジレンマの話と照らし合わせて読むことで、支援を必要としている側と、実際に支援に携わる側の両方の立場に立つことができると思う。もちろんそれが全てではないけれど。2025/12/23
cof
1
ずっと気になっていた一冊。読んでて思わず涙が出るところがあった。日頃「人より自分が恵まれていること」を申し訳なく思うのは、なんか違うだろとは思ってはいるものの、でもこの本を読んでわたしが泣くのは間違ってると思った。文庫になってから読んだのを申し訳なく思ってたけど、あとがきに加え10年後の話もあって、読めてよかった。最近、話を聞く難しさを痛感していたので、ここまで人の話を聞けるというのはすごい。こんな器が自分にもあればと思う。でもないからがんばろう。2025/12/27




