内容説明
人口減少と少子高齢化は日本にとって最大の危機であることは周知の事実であり、経済、社会、あらゆる分野に影響をもたらす課題である。 政府は地方創生などの政策を行ったものの、成果は上がらず、逆に想定よりも速いスピードで人口減少が進んでいる。ちなみに2020年代には従来以上の人口減少が予想され、その後はさらに 人口減少は加速していく。 そのような中、2018年末に政府は入管法の改正を行い、翌年4月から新たに外国人受入れ政策を開始した。政府は移民政策ではなく、人手不足解消を目的と主張するが、これを皮切りに在留外国人の増大は本格化し半永久的に続くと想定される。
本書は、筆者の体験にもとづく政策転換の政治の舞台裏を明らかにするとともに、中長期の視点から移民受入れの未来予測を 成功例の ストーリーとして示す一方、 人口減少が激化しレジリエンスが低下するポストコロナ時代こそ本格的な移民政策への移行のチャンスとして日本の歩むべき道を提示する。
目次
はじめに
第1章 コロナショックで見えた日本の弱点
未曽有の危機
コロナショックをどう見るか
「鎖国」と運命共同体
自治体が主役
低いレジリエンスと人材不足
物流が危機を迎える2日間
人口減少はなぜ止められない?
人口減少で起こること
自衛隊にグルコサミン支給?
砂時計現象という危機
地方創生の先にある未来
東京は生き延びられるか
課題解決策としての外国人
第2章 外国人が直面する壁
日本語の壁
ボランティア日本語教室
日本語教師を国家資格に
日本語教育推進法
「やさしい日本語」という共通言語
新聞に採用された「やさしい日本語」
韓国の外国人への韓国語教育
外国人の子どもの不就学ゼロ作戦
NPOの役割とは
生徒が増え続けるネパール人学校
日本社会に巣立つ外国ルーツ青少年
第3章 新たな政策への方向転換
ねじれを伴った方向転換
菅義偉官房長官の決断
自民党内に移民反対はない?
与野党の激突
なぜ移民政策ではないのか?
「移民政策でない」は消えるか
第4章 特定技能を巡る課題
移民政策なければ移民問題が起こる
デカセギ留学生の実態
技能実習制度は経営者を悪人に変える?
移民政策の4本柱
国を閉ざす結果起こること
改正法の三つの要点
技能実習から特定技能制度への完全移行を
メディアの技能実習制度への批判
安心して働ける仕組みとは
地方は取り残されるのか?
定住への道を開く特定技能2号
本気度が見える総合的対応策
外国人労働者が殺到する韓国の雇用許可制
経済団体は外国人受入れをどう見るか?
「在留外国人等基本法」の提案
「亡国の移民政策」大論争
第5章 30年間の政策空白
ダブルリミティッド世代
想像力の欠如が生み出すもの
内なる国際化
1980年代に起こったこと
国際交流協会
震災後も増え続ける福島県の外国人
外国人を呼び込む自治体
ドイツの経験
受け入れの費用対効果
第6章 未来予想――成功を導くために
成功例――地域に定着した外国人
成功へのカギ
第7章 コロナショック後の外国人受入れを展望する
イノベーションと意識改革
異文化受容の素地
三つの段階
市民が難民受入れをホストする
結びにかえて
感想・レビュー
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