細長い場所

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

細長い場所

  • 著者名:絲山秋子【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 河出書房新社(2025/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309032443

ファイル: /

内容説明

個であることをやめるとき――名前も記憶も肉体も失って、気配や残存となったわたしたちの心は最後に誰と、どんな旅をするのか。生と死のあわいに見る、懐かしいのに不思議な風景。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

えんちゃん

56
こちらも生と死の狭間の物語でした。短編集。生きることは色々なものに固執すること。例えば名前とか顔とか家族とか仕事とか人生とか。だとしたら、死ぬことはそれら全てを解放してゆくことなのかもしれない。命を借りて生まれ、命を返した。ただそれだけのこと。色んな細長い場所を歩いて、この世からあの世へと魂が浄化していく。絲山さんの哲学を垣間見たような、そんな不思議な読後感。ちょっと難しかったです。2025/12/19

Roko

26
この本の中で絲山さんが描く人間は「生きていない人」みたいな気がする。「死んでしまった人」のちょっと手前の、あの世へ行く渡し舟に乗るための待合室にいるような感じがする。だから、今と過去と夢が混ざっているような不思議な感じ。「何かわからないことを誰に聞けばいいのかわからない」けど、「聞いたところでどうになるでもなし」って思っていて、だけど、店の前で並んでいる人を見ると、その後ろに並びたくなってしまうような、自分の身の置き所を探している人が、この本の中に大勢登場しています。2025/12/20

ぜんこう

24
細長い場所って何なん?不思議な世界のお話、というかたぶん あの世に行く中間点みたいな場所? ちょっとイメージしにくかったものもあるけど、ほとんどが この世に存在しそうな場所。 死んじゃったらこんなところに立ち寄れるんかな。また時間をおいて読んでみたいかも。2025/12/14

桜もち 太郎

20
絲山さんの9つの短編新作は、生と死の間を魂がふわりふわりと行ったり来たり、という感じで捉えどころのない物語だった。全く現実味がなく人の体から魂が遊離するのか、夢か真実なのか全くわからない。誰もかれもいつかはいなくなり、誰もが忘れ、忘れられる。「命を借りて生まれ、命を返した、それだけのことだ。何かのために生きた、などということはない。因果もなければ続きもない」、だったらなぜ人は生きるのか。過去は夢なのか。何となく滅入ってしまう。と同時に絲山さんの状態が少し心配になってしまった。2025/11/29

練りようかん

18
本屋ではじめて見た時、佇まいと存在感に意識を奪われた。表紙を開けばその第一印象に違わぬ世界が広がっていて、好奇心を掻き立てられた。となりまちまで続く商店街では、人間の欲と人間ではない生きものの記憶が押し寄せ、第九章はその第一章のアンサーにも思える言葉が散りばめられており、所有することに人生の多くを費やすことは、生命の本質とは、がぐるぐる頭の中を駆け巡った。旅館の畳で座布団を枕にうたた寝するシーンが良い、弛緩と解放の愉悦だ。特に好きなのは第二章の気配と残像。帰属意識やタイパとは真逆の極地に思えた作品だった。2025/12/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22903956
  • ご注意事項

最近チェックした商品