モビリティーズ研究のはじめかた――移動する人びとから社会を考える

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モビリティーズ研究のはじめかた――移動する人びとから社会を考える

  • ISBN:9784750359687

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内容説明

なぜ、どのように、「モバイルな人びと」を研究するのか!
本書は、「移動(モビリティーズ)」の視点から現代社会を読み解く、モビリティーズ研究の入門的かつ実践的試みである。モビリティは人だけでなく、モノや情報、文化の移動も含む概念で、現代社会の構造や経験の核心をなしている。この本では特に、移動する人びとの経験や生活世界を通して、「移動論的転回」に基づく人文社会科学の知見を紹介するとともに、日本における研究の可能性と課題を探る。さらに、移動を個人の自由ではなく、社会的・政治的な力との関係で捉えることで、不平等の構造、社会変動の諸相を明らかにし、政策や実践に対する新たな視座を提示する。

目次

序章 移動(モビリティ)を通して世界を見る[伊藤将人]
第1部 創る
第1章 なぜ、移住者は「救世主」となったのか?――白書から読み解く地方移住者への政策的まなざしの変遷[伊藤将人]
[コラム①]モビリティーズ研究と政策研究をつなぐ
第2章 共につくるモビリティ――クルマ社会の先にある「再・公共移動化」の可能性[野村実]
[コラム②]研究者が政策の現場に入ってみて気づいたこと
第3章 地域活動に参加する学生をめぐるモビリティ――島根県浜田市をフィールドとしたアクションリサーチ[田中輝美]
[コラム③]学生も交通弱者だ
第4章 地球環境への配慮による観光移動の改善――フランスの環境都市におけるエスノグラフィー[吉沢直]
[コラム④]フライトシェイムを飛行機に乗って調査する矛盾
第2部 暮らす
第5章 動き続ける地域、移りゆく暮らし――長野県軽井沢町における「モビリティのパラドックス」[鈴木修斗]
[コラム⑤]「断片的な情報の組み合わせ」から始めるモビリティーズ研究
第6章 不安定と流動性を生き抜くためのモビリティ――韓国慶尚南道南海郡の若年層の移住者を事例に[金磐石]
[コラム⑥]コロナ禍のオンライン調査の経験から学んだこと
第7章 「ここではないどこか」を求めて――移動生活の魅力と葛藤[住吉康大]
[コラム⑦]日記を読むということ、読まれるということ
第3部 遊ぶ
第8章 観光者の「移動中」という実践――東京圏の鉄道におけるモバイル・エスノグラフィーの試み[安ウンビョル]
[コラム⑧]「移動を追う移動」が感じさせたこと
第9章 観光行動の「結果」を読み解く――中国における日本人バックパッカーの旅行記を資料とした試み[澁谷和樹]
[コラム⑨]ビッグデータから観光者を捉える
第10章 移動の中で結びつき、離れるやり方――ゲストハウスにおける観光者同士の交流から[鍋倉咲希]
[コラム⑩]モバイルな人びとを待つ
第11章 セクシュアリティ・モビリティーズ――戦後沖縄にみる性をめぐる移動の批判的検討[小川実紗]
[コラム⑪]モビリティから歴史を再解釈する
終章 「モバイルな人びと」に向き合う私たち[執筆者一同]
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

k inoue

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モビリティーズ研究の射程範囲の広さを知る事が出来ました 「移動」は結果だけが注目されやすいですがその結果に至る理由だったり日々考えていることは千差万別である事などつい見落とされてしまいがちな事柄を丁寧に拾っている印象です また対象者の前提についても合理的な人からより複雑な前提へとアップデートされた事を知り学際的な性格を帯びているというのも納得でした2025/09/07

takao

0
ふむ2025/09/03

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