哲学がわかる 自由意志

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哲学がわかる 自由意志

  • ISBN:9784000612425

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内容説明

自由に選べるからこそ責任が生じる.意志の自由は道徳のたいせつな根拠だ.だが,現代科学は,意志の自由も原因と結果の必然的連鎖として説明し尽くせると言う.困った,どう考えたらよい? 似たことは昔もあった.「神が全てを決めている世界で人間は自由なのか?」 哲学者たちの答えを参考に,行為と自由について考える.

目次

はじめに
第1章 自由意志の問題
第2章 自由意志としての自由
第3章 理 性
第4章 自 然
第5章 自由ぬきの道徳?
第6章 「自由意志説の自由」への疑い
第7章 自己決定と意志
第8章 自由と自然におけるその位置づけ
解 説(戸田剛文)
日本の読者のための読書案内(戸田剛文)
読書案内
キーワード

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

15
自由意志論について哲学史を紐解きながら紹介。『自由』も『意志』も単独ですらはっきりと説明することは至難なのに「人間(自身も含めて)に自由意志はあるのか」と考え始めると脳味噌が溶け出しそうになる。神が存在していた時代に生きた人間の自由意志の有無と、どうやら神は死に絶えたらしい現代に生きるぼくたちの自由意志の有無とでは意味合いが異なる。意思決定は本当に自由に為されているのか。それは錯覚なのではないのか。地上に君臨し宇宙にまで手を伸ばし霊長を名乗りながら、自分自身の内側のことですら理解できないという事実。2022/01/19

さえきかずひこ

13
自由や意志、むろん自由意志も定義の難しい概念である。その上で、歴史的にとても錯綜した複雑な議論がなされてきたことが、本書の前半から中盤にかけて述べられる。(第1〜6章)。その上で、筆者はホッブズの支配的な自由意志論を強く否定、またカントのそれも否定し、自由を何か別のものに還元することなく、そもそも決心することから自由意志を定めるべきだと明快に論を進める(第7〜8章)。本文は170ページと短いが、濃密な知識に満ちているためそれなりに論題に知識があると自負する読者が更なる考察へのステップとして読むべきだろう。2019/08/10

evifrei

7
自由意思論についての基本的な論点を哲学史に配慮しながら説明した後、著者の見解を示す。極度に先端的な議論を扱うでもなく、初心者向けに難易度を下げたものでもない標準的な内容といえる。しかし、自由意思論そのものの抽象度の高さ・訳文の直訳かと疑うほどの程稀にみる堅さから、自由意思論の初学者がこの一冊で議論の骨格を把握することは殆ど困難かと思われる。類書を参照することは必須といえる。ただし、人間は不合理さ故に自由であることや推論能力を自由意思の根拠に据える点は正に自由意思論のエッセンスとしては充分だろう。2019/11/02

Ex libris 毒餃子

5
友人が翻訳に参加したとのことなので読みました。自由意志の問題が西洋哲学上、問題にならざるを得ないということがわかりました。しかし、自分には難しかった_:(´ཀ`」 ∠):英米系は不慣れ。2018/01/03

小雪

4
自由意志のついての議論を、自由意志論と決定論の対立から、両立不可能説の抱えるランダム・プロブレムとエクササイズ・プロブレムを解決し、自由意志論を守る形で書かれた良書。 現代の自由意志論には珍しく、伝統的な自由意志論の立場から、ホッブズやカントを批判的に取り上げ、新たな自由意志論を展開している。現代の哲学者に慣れた人が読むと、なかなか新鮮で面白いと思う。2017/12/16

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